ゴツすぎないところがカッコイイ! 都会的なクロカン4WD車5選
1990年代の初頭に「RVブーム」が起こりました。RVとはミニバンやステーションワゴン、そしてクロスカントリー4WD車を指しますが、なかでもクロカン車は爆発的なヒットを記録。ちょうどRVブームの前後は、各メーカーともクロカン車は豊富にラインナップされていました。そこで、悪路走破性が高く洗練されたデザインのクロカン車を5車種ピックアップして紹介します。
ライトなイメージのクロカン4駆を振り返る
三菱「パジェロ」や日産「テラノ」など、いわゆるクロスカントリー4WD車(以下、クロカン車)が爆発的にヒットしたことがあります。1980年代の終わりから1990年代の始めに、スキーブームの到来やアウトドアレジャーが人気となり、「RVブーム」が起きました。
RVとは「レクレーショナル・ヴィークル」の略で、ミニバンやステーションワゴン、クロカン車が含まれ、レジャー用途に適したモデルを指します。
なかでもクロカン車は大ヒットし、各メーカーからラインナップされていたほどです。
そんなRVブームの前後にデビューしたクロカン車のなかから、洗練されたデザインのモデルを5車種ピックアップして紹介します。
●三菱「チャレンジャー」
RVブームをけん引したモデルの1台といえば三菱2代目「パジェロ」が挙げられます。
そこで、三菱はクロカン車のラインナップ拡充の一手として、1996年に2代目パジェロのコンポーネンツを流用した新型SUV「チャレンジャー」を発売。
外観はステーションワゴンタイプのみで、ワイルドな印象のパジェロに対して都会的なイメージのデザインを採用していました。
搭載されたエンジンは3リッターV型6気筒ガソリンに加え、2.8リッターと2.5リッターの直列4気筒ディーゼルターボの3種類が設定され、駆動方式は全グレード4WD。
上位グレードは4種類の走行モードを状況に応じて使い分けられる、三菱独自のスーパーセレクト4WDで、そのほかはパートタイム4WDとなっています。
その後、マイナーチェンジでガソリン直噴エンジン「GDI」が搭載され、フロントフェイスのデザインの刷新などがおこなわれましたが、パジェロほどのヒットとはならず、2001年に販売を終了。
なお、チャレンジャーは海外で現在も「パジェロスポーツ」の名で販売され、高い人気を誇っています。
●マツダ「プロシードマービー」
現在、マツダは「CX」シリーズを展開し、さまざまなクラスのSUVをラインナップすることで、高い人気を誇っています。
一方、RVブームの頃はクロカン車を販売しており、そのなかの代表的な1台が1991年に発売された「プロシードマービー」です。
プロシードマービーはピックアップトラックの「プロシード」のラダーフレームに、ステーションワゴンタイプのボディを架装する手法で開発されました。
特徴的だったのが3000mmというロングホイールベースによる広い室内と、価格が220万円台からと比較的安価に設定されていたことです。
外観はグラスエリアが広く、ロングホイールベースを生かした伸びやかなデザインで、車体後部にはエアロパーツのようなルーフキャリアが装備されるなど、質実剛健なイメージよりも背の高いスタイリッシュなステーションワゴンを表現。
搭載されたエンジンは2.6リッター直列4気筒ガソリンと2.5リッター直列4気筒ディーゼルの2種類で、トランスミッションは4速ATと5速MTを設定。駆動方式は、全車パートタイム4WDです。
プロシードマービーは一定の人気はあったものの、同クラスのハイラックスサーフやテラノほどのヒット作にはならず、1999年に販売は終了となり、後継車はありませんでした。
●トヨタ「70系ランドクルーザープラド」
トヨタが世界に誇るクロカン車の「ランドクルーザー・シリーズ」は、かつて「ヘビーデューティ」「ライトデューティ」「ステーションワゴン」の3つのタイプに分けられていました。
なかでもヘビーデューティの「ランドクルーザー70」は、過酷な環境でも耐えられるようにシンプルな構造で、クロカン車の原点を追求したモデルです。
日本では1984年にランドクルーザー70が発売され、翌1985年には70系ライトデューティの「ランドクルーザーワゴン」もラインナップ。
外観はランドクルーザー70に準じた2ドアのショートボディですが、主要なコンポーネンツはハイラックスサーフをベースにしていました。
そして、1990年のマイナーチェンジで車名が「ランドクルーザープラド」となり、4ドアのセミロングボディの追加とフロント周りのデザイン変更がおこなわれ、より洗練された意匠によって乗用車らしさを強調し、パジェロに対抗。
ラインナップは2ドアと4ドアのワゴン、4ドアのバンが設定され、搭載されたエンジンは4.2リッター直列6気筒、3.5リッター直列5気筒、2.5リッター直列4気筒ターボと、すべてディーゼルです。
また、リアデフには電動デフロックを装備するなど、悪路走破性も高められていました。
その後、ランドクルーザープラドは代を重ね、ハードすぎないランドクルーザーとしての地位を確立して現在に至ります。
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