偉大な初代に学ぶ!? デザインやコンセプトが原点回帰した車5選
最新のEVは往年の大衆車をオマージュ!?
●ホンダ「ホンダe」
1972年にホンダは、新世代のコンパクトカーである初代「シビック」を発売。当時、まだ数少ないFF駆動を採用して広い室内空間を実現し、軽量なボディで優れた走りと低燃費を両立したことから大ヒットします。
その後、シビックは代を重ねるごとにボディやエンジンの大型化が進み、現行モデルの「シビック ハッチバック」は、初代のコンセプトとは大きく異なるモデルとなってしまいました。
そんななか2020年8月に、ホンダは都市型EVコミューターの「ホンダe」を発表。
ボディサイズは全長3895mm×全幅1750mm×全高1510mmと、全長は「フィット」よりも100mmほど短く、全幅は50mmほどワイドです。
外観は全体的にやわらかな曲面で構成され、カタマリ感と安定性が感じられる台形をモチーフにデザイン。
丸形LEDヘッドライトを採用したフロントフェイスや、外観全体のシルエットは、初代シビックをオマージュしたかのようのです。
また、内装では、5つの液晶モニターを水平に配置したインパネを採用し、トレー形状や木目調パネルの意匠は、やはり初代シビックをイメージさせます。
搭載されるパワーユニットは最高出力113kW(約153馬力)、最大トルク315Nmを誇るモーターに35.5kWhのリチウムイオン電池を採用。後続可能距離はWLTCモードで283kmを実現し、30分の急速充電で202kmの走行が可能です。
また、駆動方式はリアにモーターを搭載してリアタイヤを駆動するRRとなっており、前輪の切れ角を大きくすることで最小回転半径は4.3mと、都市部での使い勝手を向上させています。
ホンダeはピュアEVであることやRR駆動の採用など、単にデザインだけ初代シビックをオマージュしたように思えますが、コンパクトカーとしての使いやすさや、環境への配慮といった点で、初代シビックのコンセプトを継承する、正統な後継車ではないでしょうか。
●日産「フェアレディZ」
2020年9月に、日産は12年ぶりとなる新型「フェアレディZ プロトタイプ」を発表。初代フェアレディZをはじめ、歴代モデルのデザインエッセンスを取り入れており、原点回帰したといわれています。
しかし、2008年に発売された現行モデルの6代目「Z34型 フェアレディZ」こそが、原点回帰したモデルでした。
搭載されるエンジンは最高出力336馬力を発生させる3.7リッターV型6気筒エンジンで、高レスポンス、高出力、低燃費、低排出ガスを実現。
ボディサイズは全長4250mm×全幅1845mm×全高1315mmと大柄ですが、先代よりも100mmも大胆にショートホイールベース化されました。
これは、リアタイヤの接地荷重を高めることが目的で、初代フェアレディZから続く独特の操縦性を再現したといいます。
外観は初代をイメージさせるロングノーズ・ショートデッキを強調しており、古典的なシルエットのなかに最新のデザイントレンドを融合。
内装も、伝統のアナログ3連サブメーターをインパネ上に配置した、生粋のスポーツカーらしいデザインを継承しています。
6代目フェアレディZはあらゆる点で初代から大きく進化していますが、フィーリングという数字では推し量れない部分で、原点に立ち返ったモデルです。
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近年、過去のモデルをモチーフにしたクルマが世界的に増えました。これを「何のひねりも無いただの懐古趣味」と捉える人もいるのは確かで、実際にデザインだけを旧来のモデルに似せたようなクルマもあります。
一方で、そうした懐古趣味なクルマは人気があるのも事実です。
昔のクルマをモチーフにしたデザインは、懐かしさだけでなく、若い人の目には新鮮に映ったということでしょう。このトレンドはまだまだ続きそうです。
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