なぜGT-Rや軽にアメリカ人は熱狂する!? 「右ハン車」の人気が急騰するワケとは

近年、北米市場では「25年ルール」と呼ばれる規制によって、日本でかつて販売されていた右ハンドル仕様の国産スポーツカーの人気が急騰しています。なぜ、アメリカ人は25年以上前の古い右ハンドル車に関心を寄せているのでしょうか。

右ハンドルのクルマを見かける背景は「25年ルール」が理由

 北米市場は日本車のシェアが非常に高いことはよく知られていますが、近年では「右ハンドル」の日本車を見かける機会が増えてきたといわれています。北米は左ハンドルの地域ですが、なぜ右ハンドルの日本車が増えているのでしょうか。

いまでは、600万円超えも存在する日産「スカイラインGT-R(R32型)」。なぜアメリカ人は熱狂するのか。
いまでは、600万円超えも存在する日産「スカイラインGT-R(R32型)」。なぜアメリカ人は熱狂するのか。

 近年は中国市場の飛躍的な成長が話題になることも多いですが、年間約2000万台の新車を販売する北米(アメリカ・カナダ)市場は、いまだに自動車大国であるといえます。

 そんな巨大な市場で、日本車はおよそ40%のシェアを獲得するなど、非常に大きな人気を誇っています。

 日本における輸入車比率が約6%であることを見ると、驚異的な数字といえ、北米市場にとって日本車は「特別なクルマ」ではなく「もっとも身近なクルマ」となっているのです。

 自動車大国である北米市場で日本車がこれだけの地位を築くことができたのは、先人たちの涙ぐましい努力の賜物といえるでしょう。

 ただし、北米で販売されている日本車の多くが北米市場向けに開発されたものであり、日本で販売されているクルマをそのまま輸入しているわけではありません。

 むしろ、トヨタ「カムリ」や「RAV4」など北米市場を意識して開発されたモデルを、グローバル戦略の一環として日本でも販売するといったケースが増えています。

 このように、北米市場で日本車を見かけること自体は一般的なことですが、近年、「右ハンドル」の日本車が増えているようです。

 左側通行の日本では、右ハンドルのクルマが主流ですが、左ハンドルであっても道路交通法上は問題なく走行することができます。

 しかし、右側通行の北米では、左ハンドル以外は認められておらず、原則として登録・走行することができません。そんな北米市場で右ハンドルの日本車が増えているというのは、どういうことなのでしょうか。

 実は、北米では通称「25年ルール」と呼ばれる、25年経過した車両は、右ハンドルでも登録・走行することが可能になると法律があります。

 ハンドルの左右のみならず、シートベルトが装着されていないようなクラシックカーなども基準が緩和されてことで、登録・走行が出来るようになっているのです。

 また、アメリカでは州ごとに規制が異なるため、製造から25年ではなく15年という場合もあります。

 つまり、北米で見かけることの増えたという右ハンドル車は、ある程度年数の経過したクルマであることがわかります。

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