あおり運転は親の影響!? 運転中に攻撃行動をしてしまう心理とは

あおり運転をしやすい人は日常生活への影響も大!?

 運転中に攻撃行動をしてしまう心理や、あおり運転につながる理由について、駿河大学の小俣謙教授は、次のように述べています。

あおり運転のイメージ
あおり運転のイメージ

「運転時に攻撃行動が起こりやすいのは普通のドライバーでもあり得ます。そのような場合、その人とクルマとの関わりの強さも関係してくるかな、とは思います。

 クルマが大好きで強いこだわりを持つ人は、無意識的にクルマを自分のなわばり空間と考えていることもあります。

そのため、自分の空間や自分自身が侵害されたと思いやすくなることが考えられ、あおり運転に繋がるのかもしれません。

 一方、あおり運転につながる要素にはそれに加え、加害者側に特有の認知の仕方(ものの見方)があるかと思います。

 例えば、信号があるから少しスピードを落とす行為は、一般的な行為で多くの人はそれに対し怒りを感じないでしょう。

 しかし、特有の認知の仕方をしてしまう人からすると、『こいつわざと車間距離を寄せてきやがって、邪魔しようとしているのか?』といったような心情になり得ます。

 そういう認知のゆがみが、危険なあおり運転につながります。このような認知のゆがみを『敵意帰属(てきいきぞく)』といいます。

 敵意帰属は生活史のなかで形成され、親の考え方や対応がモデルとなり、小さい頃からそれを通して学習していきます。

 ただ、学習したからといって、すべての人が行動に移すわけではありません。

 例えば、刑事ドラマを見ていれば、自然と人の殺害方法を学習しますが、だからといって実際に行動に移す人はほとんどいないでしょう。

 では、なぜ行動に移してしまうのかですが、これは『1番簡単で手っ取り早い方法だから』です。

 例えば、相手に連絡を取って、理由を聞いて、解決をする。といった一連の行為はとても時間がかかりますし、面倒臭いでしょう。

 なので、手っ取り早く殴ってしまえと思ってしまうのです。力で相手を支配したほうが簡単だっていうことを子どもたちは生活のなかで学習していきます。

 口でいっても聞かなければ、子供を叩いていうことを聞かせる親もいますが、そういった暴力などで相手を従わせようとする、またはそういった行動を頻繁に起こしやすい親の元であれば、『力で相手を支配する』方法や考え方が簡単に身についてきます。

 このような攻撃的なことをする人は、社会的スキルが未熟で人間関係がうまくいかず、あちこちで問題をおこしている可能性があります。

 また、あおり運転の加害者年齢を見たとき、実数としては40代が多いのですが、免許保有者10万人あたりの人数で見ると10代の方が多くいます。

 交通違反者と若年者には「社会的な協調性が低い」という共通点があります。社会心理学でよく知られているように、社会から正当に評価されていないなどといった社会に対して不満を持つ人は攻撃的傾向が高まります。

 したがって、その高まった攻撃行動が、クルマへのこだわりを通じて『運転行動』に現れるのは十分考えられるでしょう」

※ ※ ※

 ニュースを見ると被害者側にとっては驚くほどに些細な行動がきっかけで、あおり運転がおこなわれていることがほとんどです。

 それらのアクシデントの原因は、「認知のゆがみ」。あおり運転は、自分では安全運転をしていても、いつ被害者になるかわかりません。

 そもそも考え方やものの見方が違う可能性があるため、被害に遭った場合は無理に話し合うことは避けましょう。

 その上で、外に出たりせず、ドライブレコーダーなどで録画の上、警察へ通報・相談することが大切です。

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