新車販売は回復傾向? 新型ヤリスクロスなど小型SUVが起爆剤か 販売現場の実情とは
コロナ禍により、販売低迷となった日本の新車市場ですが、最近では徐々に回復傾向にあるといいます。なかでも各社のコンパクトSUVが起爆剤となっているようです。
コロナは下火? 移動が活発化すると新車市場も回復する?
日本で新型コロナウイルスが騒がれ始めたのは2020年1月下旬頃からでした。その後、4月7日から一部、16日から全国で緊急事態宣言を実施。その後5月25日に解除され今に至ります。
10月現在では、さまざまな経済政策が開始されたことも影響し、人の移動が活発化してきていますが、4月から6月に比べて現在の新車販売状況はどうなっているのでしょうか。
世界中を巻き込んだ新型コロナウイルス騒動は、日本でもさまざまな分野に多大な影響を及ぼしました。
例えば、JR東日本によると、緊急事態宣言発令後の4月11日、JR渋谷駅の利用者数は前年の同時期と比べて98%減少、さらに山手線全体での利用者数も前年の同時期と比べて85%減少したといいます。
日本の基幹産業といえる自動車業界でも要となる新車販売は外出自粛とコロナ禍の先行き不安などを要因として各社ともに販売台数を大幅に落としました。
また、生産拠点なども一定期間停止したことで、納車時期にも大きく影響するなど、販売現場は混乱したといいます。
2020年5月時点の状況について都内のトヨタ販売店のスタッフ、次のように話していました。
「4月の平日、メンテナンスなどで訪れる既存の顧客以外、新規のお客さまの来店は3人でした。
しかし、人気車種の登場直後であったため、そのなかで1名様はクルマを購入して頂き、売上的には大打撃とはなりませんでした。
ですが、一日に売上0台という日も出てきたうえに、客足は減る一方ですので今後が不安です」
都内の販売店で1日に売上が0台というのは、あまりない事態だといい、人員削減で営業担当が減っていることを加味しても、まさに緊急事態となっているようでした。
それから約5か月後に再度同じ販売店で話を聞くと、次のように話しています。
「緊急事態宣言以降は、6月半ばから徐々に販売台数は回復してきました。そのきっかけとしては『ハリアー』がフルモデルチェンジしたことが大きく、8月になれば『ヤリスクロス』がさらに後押しした結果、当店の販売台数も伸びていきました。
また、トヨタでは5月から全店で全車種を扱うことやオンライン商談などこれまでとは異なる販売展開を実施したことで、今まで以上にトヨタ車の販売ハードルが下がったかもしれません」
6月30日に新型SUVとなる「キックス」を発売した日産では、どのような状況なのでしょうか。
「3月には軽自動車の『ルークス』が登場し、数多くのお客さまに購入いただいておりました。
しかし、4月から5月にかけては緊急事態宣言の発表により、店舗の呼び込みなど営業自体をストップしていたため、販売台数は落ち込んでいます。
その後、緊急事態宣言が解除されてからは、販売台数も持ち直している状況です。
さらに、6月にキックスという新規モデルが出てきたことで、関心をもたれるお客さまが増えました。
また、間もなくエルグランドがマイナーチェンジするということでお客さまからお問合せを頂いています。エルグランドはそこまで台数を稼げないかもしれませんが、お客さまからの関心は高く、それをきっかけにほかの車種を検討されることもあります」
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トヨタや日産共に、緊急事態宣言が明けたあとに新型モデルが出てきたことで、客足が戻ってきているようです。
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