日産 新型フェアレディZのデザインルーツとなった「S30型」とは

S30型フェアレディZの型式の見分け方とは?

 そんなS30型フェアレディZが、サザビーズのオークションに登場した。

 今回登場した個体は、北米仕様車で左ハンドルとなっている。走行距離は2万9000マイル(約4万7000km)強。保管状況が良かったのか、インテリアの樹脂パーツは日焼けやヒビ割れなどがなく、シートも使用感こそあるものの、その状態はいい。また、ウインドウに貼られたステッカーなどもキレイな状態だ。

●1972 ダットサン「240Z」

レストアされたS30型「フェアレディZ」のエスティメートは、およそ792万円−950万円(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's
レストアされたS30型「フェアレディZ」のエスティメートは、およそ792万円−950万円(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 機能的な部分も問題はない。搭載されているエンジンは、2.4リッターのL24型。ミッションは4速MTとなっている。

 ちなみに、この個体の型式は「HLS30」となっているが、S30型フェアレディZの場合、この型式を見ると搭載されているエンジンやハンドル位置、乗車定員などがわかるようになっている。

 まず最初の「H」の部分は、搭載されているエンジンを示していて、無記号であればL20型、「P」はS20型、「H」はL24型かL28型、「R」はL26型を表している。

 次の「L」は、ハンドル位置で、無記号は右ハンドル、「L」は左ハンドルを表す。

 さらに、次の部分に「G」があると、2by2、無記号は2シーターを表している。

 最後に「S30」というのは、昭和50年排出ガス規制以前のモデル、「S31」となっていれば昭和51年排出ガス規制適合車である。

 つまりこの「HLS30」は、L24型もしくはL28型を搭載した、左ハンドルの2シーター、昭和50年排出ガス規制以前のクルマ、ということになるのだ。そしてエンジン排気量については、プレート内に記載されていることから、搭載されているエンジンはL24型であることがわかるようになっている。

 出品された個体の外観も美しいものだ。バンパーは当時の北米の基準に適合するよう、大型のものとなっているが、それも含むメッキパーツの輝きは強く、ボディ塗装のヤレもないが、これはオリジナルと同じようにレストアしているから。

 ホイールは一見するとワタナベのエイトスポークのように見え、JWLやVIAの刻印も入っているが、これはフィリピンのロタ社製。ロタ社は現在も存続していて、どこかで見たようなデザインのホイールを、オリジナル品として数多く販売している。これについては日本人的な感覚でいえばマイナスポイントとなるが、アメリカ人にとっては、それほど気にする点ではないのかもしれない。

 そのほかのプラスポイントとしては、エアコンの装備が挙げられるが、オークション情報ではエアコンとなっているが、これはおそらく純正のクーラーではないかと思われる。

 この個体の予想落札価格は、7万5000ドルから9万ドル(邦貨換算約792万円−950万円)。しかし昨今のJDM人気も含めて考えると、より高額での落札も十分にあり得る。一体いかほどの値付けがされるのか、楽しみだ。

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1件のコメント

  1. ジャガーEタイプのパクリが、Fタイプを周回遅れでパクってもなぁ。

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