コロナ禍で元気なのはダイハツのみ? 前年比増の原動力とはなんだったのか
お買い得なロッキー、加えてSTAY HOMEが追い風に?
ロッキーの魅力は、そのお買い得感でしょう。SUVがトレンドの昨今とはいえ、その多くはミドルクラス以上もしくは軽自動車であり、コンパクトSUVは意外と少ないというのが実状でした。
5ナンバーサイズに限定すれば、ロッキーが登場するまでは、スズキ「クロスビー」と「ジムニーシエラ」しかありませんでした。
コンパクトながらも本格的なクロスカントリービークルとしての性能を持っているジムニーシエラは別格とすると、実質的にはクロスビーの独壇場だったといえます。
そんななかで、ライバルのクロスビーよりおよそ10万円安い170万5000円からという価格で販売されているロッキーは、消費者にとって魅力的に映ったのかもしれません。
ロッキーというクルマに魅力があることは前提ですが、ある広告代理店関係者によると「STAY HOMEも追い風になったのでは」と話します。
「もともと、ダイハツのような低価格ブランドはTVCMを活用する傾向があります。CMの内容も、クルマの機能やスペックを細かく紹介するものよりも、話題の芸能人を起用してできるだけ印象に残るようなキャッチーなものとなる場合が多いです。
これは、ターゲットである若年層がクルマを購入する際、『なんとなくCMで印象に残っている』というのが起点になることが多いとされているからです。
そして、コロナ禍のなかで『STAY HOME』が推奨されたことにともない、テレビの視聴時間が増加したというデータがあります。ダイハツはゴールデンタイムにCMを放送し続けていたので、例年よりも効果が高かったのかもしれません」
新車販売が全体的に減少したのは前述のとおりですが、新型コロナウイルスの影響が比較的少なかった人など、一定数の新車購入層がいたことも事実です。また、地方在住の新社会人など、クルマが生活必需品であることから購入せざるを得ない人もいたことでしょう。
ダイハツは、ロッキーのCMに人気俳優の窪田正孝さんを起用し、音楽には布袋寅泰さんの楽曲を使用するなど、キャッチーな内容のものを放送してきました。
ダイハツの登録車が前年比増となった背景には、ロッキーという魅力的な新型車が投入されたことに加えて、通常時よりもCMの効果があったことが要因といえるかもしれません。
※ ※ ※
新型コロナウイルスの影響で全国的に新車販売台数が落ち込むなか、大健闘しているダイハツの原動力となっているロッキーですが、そのトヨタ版である「ライズ」も2020年1月から6月の新車販売台数トップを記録するなど、非常に評価の高いモデルであることがうかがえます。
2020年に入り、日産「キックス」やトヨタ「ヤリスクロス」などのコンパクトSUVが登場していますが、いずれも3ナンバーサイズとなっています。
2017年に登場したクロスビーも近いうちにマイナーチェンジすることが予想されますが、それまではしばらく5ナンバーサイズのコンパクトSUVではロッキー/ライズの時代が続きそうです。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。