極上の空間を演出!?レクサス新型「LCコンバーチブル」は気持ちよさと優雅さを持ち合わせていた?

レクサスはクーペモデル「LC500/LC500h」の一部改良を2020年6月18日に実施。さらに、コンバーチブルモデル「LC500コンバーチブル」を同年7月15日に発売しています。久しぶりに復活したレクサスのオープンモデルには、どのような特徴があるのでしょうか。

優雅なオープンモデルを待っていた

 2017年に登場した「LC」。次世代レクサス第一弾であると共に、「LS」と並んでフラッグシップを担うモデルです。

 レクサスの「Allway on」の精神で毎年進化・熟成がおこなわれてきましたが、2020年6月にはLC初の大幅改良を実施しました。
 
 注目はコンバーチブルの追加です。LCが属する高級クーペ市場はオープンが必須で、構想段階から検討はされていたといいますが、さまざまな事情により3年目の追加となりました。筆者的(山本シンヤ)にはもう少しスピード感が欲しいと思いながらも、追加に関してはウェルカムです。

 では、一体どのようなモデルに仕上がっているのでしょうか。

オープンエアなドライビングを楽しめるレクサス「LC500コンバーチブル」
オープンエアなドライビングを楽しめるレクサス「LC500コンバーチブル」

 今回一般道、高速に加えてクローズドコース(袖ヶ浦フォレストレースウェイ)でチェックをしてきました。

 LCコンバーチブルのエクステリアは、塊感の強いクーペに対して、ルーフがなくなったことで伸びやかなフォルムに仕上がっています。

 2+2のレイアウトながら、オープン時は2シーターのようにタイトに見えるキャビン、クローズド時はファストバックのように見えるシルエットなど二面性を持ったデザインです。

 クーペよりスタイリッシュなのはもちろんですが、いい意味で“緊張が解けた”印象を受けました。逆に注目度は断然上がっています。

 インテリアはコンバーチブル化に合わせてシート表皮や空調(レクサスクライメイトコンシェルジュ)、サウンドシステムを変更。

 ただ、メーター周りは最新のトレンドからすると少々時代遅れな感があるのも事実です。ほかのレクサスもそうなのですが、ここが変わると印象はガラッと変わると思います。

 オープン時はベルトラインやリアの造形の工夫による空力性能やウィンドディフレクターの採用などにより不快な風の流れも抑制されていますが、それもそのはずで、オープンで270km/hまで実験をおこなっているそうです。ちなみにクローズド時は下手なクーペ顔負けの静粛性を実現していますが、これは4層構造の幌の採用が大きいでしょう。

 ソフトトップの開閉は50km/h以下なら走行中でも操作可能です。開閉時のスピードはかなり速いレベルですが、開閉動作にあえて0.2秒の“タメ”を持たせています。

 これは書道の「トン・スー・トン(=三折法)」をヒントにした制御で、スマートかつ人間味のある自然な動きはまさに日本人ならではの発想です。

 リアシートはさすがにクーペよりも狭く、大人が長時間座るのは厳しそうですが、ちょっとそこまでという程度であれば十分でしょう。

「高級クーペにはリアシートはいらない」という意見もありますが、2シーターか2+2かは購入条件(人が乗れるではなく荷物置きにもなる)のなかでは重要なポイントです。

 ラゲッジスペースはクーペ(ハイブリッド)並みの容量が確保されており、日本人が気になるゴルフバッグは1個搭載可能です。

 パワートレインは5リッターV型8気筒エンジン「2UR-GSE」+10速ATの組み合わせのみで、クーペに設定されるハイブリッドの設定はありません。

 チーフエンジニアの武藤氏は「V8のみの設定はNAサウンドをダイレクトに楽しんでもらいたいからです。ソフトトップはエンジンの魅力を引き立たせるための機能備品といってもいいです」と自信を見せます。

 ちなみにATの変速マップはクーペよりもエンジンを回すコンバーチブル専用の制御に変更されています。

 もちろんLCの世界観のなかで、高回転を積極的に維持するほどではありませんが、エンジン音は今まで以上にクリアに耳に入ってきたため、意味もなくひとつ下のギアで走って一人ニヤニヤしてしまうかもしれません。

 ただ、個人的にはハイブリッドで今まで聞けなかった外の音を聞きながらもオープンドライブも悪くはないと思いますが、バッテリーの搭載位置にソフトトップ収納のスぺースを割り当てているので、物理的にコンバーチブル+ハイブリッドの両立ができないようです。

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