フェアレディZのガチライバル車とは!? 記憶に残る名スポーツカー3選

これからも続くトヨタのライバル車とは

●トヨタ「スープラ」

GTカーとして一気に高性能化を果たした初代「スープラ」
GTカーとして一気に高性能化を果たした初代「スープラ」

 1978年にデビューしたトヨタ初代「セリカXX」は「セリカ」の上級グレードとして開発され、2.6リッター直列6気筒エンジンを搭載するなどアメリカ市場を強く意識したGTカーで、北米では「スープラ」の名で販売されました。

 1981年発売の2代目もセリカをベースとした直線基調のボディに、「ソアラ」と同じ2.8リッター直列6気筒DOHCエンジンを搭載し、「国産200km/hオーバーカー」(市販モデルでは180km/hでスピードリミッターが作動)の仲間入りを果たします。

 しかし、当時のライバルである日産「Z31型フェアレディZ」に動力性能で及ばなかったことから、1986年に国内モデルもスープラに車名を改め、最高出力230馬力を発揮する3リッター直列6気筒DOHCターボエンジンを搭載する「スープラ3.0GT」が登場します。

 外観はリトラクタブルヘッドライトを配置したロングノーズのスタイリッシュな3ドアハッチバッククーペで、セリカのイメージを完全に払拭。

 トップグレード以外もエンジンはすべて直列6気筒で、2リッターの自然吸気、同ツインターボ、2.5リッターツインターボがあり、1990年に登場した「2.5GTツインターボ」は、トヨタ初となる最高出力280馬力を達成したことでZ32型に追いつきます。

 また、市販車をベースとした「グループA」カテゴリーの全日本ツーリングカー選手権にも参戦することで高性能さをアピールし、若いファン層も獲得。

 そして、1993年には2代目スープラ(北米では4代目)が登場し、究極のFRスポーツカーとしてZ32型に対抗しました。

 2002年に排出ガス規制の強化から生産を終了して、スープラの系譜は一旦途絶えますが、2019年に17年ぶりに復活。新型フェアレディZがデビューすれば、再びライバル関係も復活することになるでしょう。

※ ※ ※

 文中にも出てくるポルシェですが、初代のS30型フェアレディZの登場はポルシェを本気にさせたという逸話があります。

 日産は1969年にアメリカでも「DATSUN 240Z」の名でS30型を発売。比較的安価な価格と高性能さを武器に大ヒットしました。

 240Z発売によって、まずイギリス製のスポーツカーの多くが販売不振となり、後にMGやオースチンヒーレーなどはアメリカ市場から撤退することになります。

 そして、ポルシは240Zよりも遥かに高級な911が堅調でしたが、240Zがデビューした1969年に排気量を2リッターから2.2リッターへアップし、1971年には2.4リッター、1973年に2.7リッターへと段階的にアップ。

 240Zも1974年から2.6リッターの「260Z」となり、さらに1975年には2.8リッターの「280Z」が登場するなど、911と同じく排気量アップとパワーアップを図りました。

 こうして、本来は競合しないはずのフェアレディZを相手にポルシェが本気になったということなのですが、実際は予定どおりの排気量アップだったという説や、主戦場であるアメリカの排出ガス規制強化によるパワーダウンを補っただけという説もあります。

 911のエンジンは2リッターでデビューしましたが、レースでの使用も考慮して、当初から排気量アップを想定する設計だったといいますから、やはり予定どおりの改良だったのかもしれません。

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