北米は標準も国内はなぜ少数!? 子供の車内放置を防ぐ「後席リマインダー」が必要な訳

後席にのせた子供や荷物の置き忘れを防ぐ機能として「リアシートリマインダー」があり、アメリカではさまざまなモデルへ導入が進んでいます。国内では一部の車種のみに搭載される機能ですが、今後導入が進んでいくのでしょうか。

アメリカではリアシートリマインダーを2025年までに標準装備化

 日本ではあまり注目されていないクルマの機能として、「リアシートリマインダー」があります。

 猛暑が続く異常気象とあって、ユーザーにとっては気になる装備だと思いますが、リアシートリマインダーとはどのようなものなのでしょうか。

アメリカでは「リアシートリマインダー」の標準化が進んでいる
アメリカでは「リアシートリマインダー」の標準化が進んでいる

「リマインダー」とは、「再確認する」ことを指し、リアシートリマインダーは、走行後にエンジンを切った後、リアシートに荷物の置き忘れがないかどうかダッシュボードに表示が出るものです。

 スーパーマーケットやコンビニに寄った後に買った食品をリアシートに置き忘れることや、複数のカバンを持って出かけたところ、カバンのひとつをリアシートに置き忘れるなど、こうした状況は、ひとり乗車のときに起きる可能性が高いといえます。

 また、決してあってはならないことですが、子供やペットをリアシートに乗せたことを忘れてクルマから長時間離れる、といったことが起こらないとは限りません。

 実際、アメリカでは2018年から2019年夏までの約1年半で、なんと90人の子どもが、ドライバーがリアシートをしっかり再確認しなかったことで車内に置き去りとなり、死亡するという事故が起きています。

 こうした現状に対して、アメリカでは自動車メーカー各社が自主的に協議したうえで、2025年までに新車のほぼすべてに、リアシートリマインダーを装着することで合意しています。

 アメリカ政府としても、「ホットカー法」(仮称)として、運輸省・道路交通安全局(NHTSA)が法案整備を進めている模様ですが、アメリカの各種報道では法案が成立するまでには少なくとも5年以上はかかる見込みだといいます。

 アメリカでは近年、夏季の異常気象が続いています。とくに2020年の夏の状況は厳しく、西部カリフォルニア州ロサンゼルスでは9月7日に観測史上最高となる49.4度を記録。州内の山火事も拡大しました。

 このような状況では、自動車メーカーはもとより、ユーザーもリアシートリマインダーの必要性を強く意識するようになってきていると感じます。

 そこで自動車メーカー各社は法案成立を待たず、業界としてコンセンサスを取りまとめて、リアシートリマインダーのいち早い装着化に乗り出しています。

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