「コールドプレイ」メンバーの素敵過ぎるポルシェライフ!!

クラシックカーを運転する時は、笑顔しか出てこない!

 レストアの手順とディテールへの情熱は、雑誌『The Road Rat』でも原動力になっている。ガイはこのプロジェクトのパートナー、ミッキー・ハーヴェイとジョン・クレイドンと一緒にこの雑誌を立ち上げることで、クルマとともに、紙のメディア、しっかり読ませる記事、そして伝統的なものづくりを称賛しようとしているのだ。

クルマへの愛はガイ・ベリーマンの人生にずっと影響を与えている(C)2020 Dr. Ing. h.c. F. Porsche AG
クルマへの愛はガイ・ベリーマンの人生にずっと影響を与えている(C)2020 Dr. Ing. h.c. F. Porsche AG

 ガイはこう説明する。「僕らが望んだのは深みのある編集と、しっかりした方法でストーリーを伝えることで、人間的な要素をつねに紹介していくということ。つまり、単なるクルマじゃないんだ。なぜそこにある? 誰がつくった? その裏にある本当の物語は?」

 その完璧な例が第2号に登場して表紙を飾った「マルティニレーシング917ラングヘック」だ。添えられた記事は約8000語にも及び、ツッフェンハウゼンのポルシェ・ミュージアムから提供された初公開のアーカイブ画像と詳細な技術図面とともに掲載されたのだった。

 記事が焦点を当てたのは「917」のレースでの戦闘力ではなく、プロジェクト発足から1969年春のホモロゲーション取得にいたるまでの尋常ならざる道のり、緊張感、政治、そして先見の明のあるエンジニアたちだった。そうしてやっと、917はデビューを果たしたのだ。

 ガイのコレクションには取り組み中のプロジェクトが非常に多いため、どれかが実際にドライブされることは滅多にない。しかしそれは、路上復帰へ向けたガイの献身を過小評価することにはならない。ヨーロッパ全域をツアーで巡る彼は5台ものクラシック・ポルシェを所有していて、それぞれが、ポルシェの豊かな歴史と技術的な完全さに対する彼の見識をうかがわせるものだ。

●ガイの華麗なるコレクション

 ガレージ空間には完璧にレストアされた1967年型の「911S」と、GT仕様に改造された「914/6」、そしてアメリカのポルシェのチューナーでありポルシェショップ「レンネンハウス」の創立者として知られるクレイ・グレーディが所有していた、ほぼオリジナルの「911」が並ぶ。グレーディがレースで勝利した「914レーサー」もガイが所有している。さらに、あまり知られていない1958年のレースカー(356Aスピードスター・ザガート)の図面を元にザガート社が2015年に9台だけ復刻製造した、超レアな「356ザガート」とさえも所有しているほどだ。

「素晴らしいクルマだよ」とガイはいう。「羽のように軽くてとても開放的で、僕にこれまでの人生で最高のロードトリップを味わわせてくれた。友達のa-ha(スウェーデンのバンド)のマグネ・フルホルメンと一緒にミラノのザガートでそれを受け取ってからドライブして、湖を超えてフランスのシャモニーへ。そしてアルプスを降りてニースまで。

 想像できるかぎり最悪の天候のなかを僕らはドライブしたんだ。雷雨はあるし、曲がりくねったアルプスの道で視界は4mくらいまで落ちた。現代のクルマに乗った人たちは進むのは危険だと判断していたけど、僕らは決まった日時までにニースに着かなきゃいけなかったから、明るい黄色のレインコートを着て、クルマの中を水びたしにしながら突き進んだ。毎晩ホテルに着くたび、クルマから水をすくうためのバケツを頼まなきゃいけなかったよ」

 これもまた、リフトアップして徹底的にレストアすることから設計者の意図通りにドライブすることまで、ガイが自分のポリシーに忠実であることの例といえるだろう。

「人々はクルマを十分にドライブしてはいないと思う。それは個人的にも、文化の観点からも残念なことだ。

 内燃機関の時代が本当に終わってしまった時、人々はクラシックカーを歴史的な文脈で見ることができ、もっと評価することができるようになるはず。電動化への動きは日に日に大きくなっているし、デイリードライバーとしては断然『タイカン』が気になっているよ。

 でも、僕がクラシックカーに乗ってストリートを走るときは、笑顔しか出てこない。このクルマたちが歩んできた人生。彼らが語ってくる物語。それは、かけがえのないものなんだ」

【画像】激レア「356ザガート」とは?(13枚)

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