韓国車が再上陸!? BTSファンも注目のヒュンダイ「ネッソ」はトヨタ・ホンダに対抗出来るのか

価格面は同等に?販売方法にも注目

 2020年9月17日現在、ネッソの日本仕様の価格情報はありませんが、ヒュンダイジャパン関係者は「グローバル価格は800万円前後」としています。

 現行ミライは740万9600円、クラリティ フューエルセルは783万6400円となっていることから、比較的近い価格帯といえるでしょう。

 ただし、標準装備の内容によって価格は前後する可能性も少なくありません。あえて装備を簡略化し700万円を割るような戦略的な価格帯とするのか、あるいは高級路線で差別化を図っていくのかなど今後に注目です。

 また、FCVに共通していえるのは多額の補助金が用意されるため、定価と実際の支払額が大きく異なるという点です。

 時期や地域によっても異なりますが、条件が整えば200万円から300万円ほど補助金が各車に支払われる可能性もあるため、比較検討対象となるのは500万円前後のモデルかもしれません。

 支払額については、販売方法も考慮する必要があります。例えば、クラリティ フューエルセルはリース販売のみとなっており、月額7万円前後の支払いとなるようです。

 ミライは通常の販売方法を採用していますが、残価率を高めに設定していることから残価設定ローンを使用することで実際の支払額をかなり圧縮されるようです。ネッソが市販される場合、どのような販売方法が採用されるのかによって、購入に対するハードルは大きく変わってくるかもしれません。

2020年末頃に発売予定となる次期型のトヨタ「ミライ」
2020年末頃に発売予定となる次期型のトヨタ「ミライ」

 FCVのような新技術の搭載されたクルマの場合、メーカーによるメンテナンスが必要であることや、使用後の状態データなどを取得するために、リース専用車とすることがあります。

 リースであれば、あくまで所有権はメーカー側にあるため、データ回収などが容易であったり、また、改造などによる予期せぬ故障のリスクを避けられます。

 ホンダがクラリティ フューエルセルをリース専用車として設定しているのもこうした理由があります。一方、トヨタでは当初からミライを一般車と同様の販売方法としています。つまり、市場に任せても問題ないほどの完成度だと判断していると考えられます。

 では、ネッソの場合はどうでしょうか。ネッソ自体は北米などですでに一般車と同様の形態で市販されていることから、完成度としては一定以上と思われます。したがって、おそらく通常の販売方法が採用されるのではないかと予想されます。

 繰り返しになりますが、FCVそのものが新しい技術のため、ガソリンエンジン車などと同様の視点では比較できないことも少なくありません。

 とくに、航続距離や最高出力といったスペック面や、価格面では、FCV独自の考え方が必要であることをまず考慮しなければなりません。

※ ※ ※

 ヒュンダイジャパン関係者は「現時点ではすべて未定」としていますが、ネッソの日本導入はもはや既定路線だといえます。しかし、FCV市場そのものがまだまだ小さいため、いずれにせよ爆発的に売れるようなモデルとはならないでしょう。

 各車のFCVについて見てみると、スペック面についてはまだまだ発展途上といえますが、デザイン面においてネッソは際立った存在になり得るかもしれません。

 トヨタによれば、次期型ミライは2020年末頃の発売を予定しているといいます。今後、FCV市場での競争がますます激化してくることが予想されますが、ネッソが次世代エコカーにおけるダークホースとなるのか、今から注目です。

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Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明

自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。

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