高級車なのに走りを極めたモデルとは!? 高性能セダン3選

いまも高級車の代表格といえばセダンですが、スムーズで余裕のある走りを実現するために高性能なエンジンを搭載するのが一般的です。そんな高級セダンのなかには、走りを重視したモデルも存在。そこで、スポーツカーも顔負けの高性能セダンを3車種ピックアップして紹介します。

走りが注目された高級セダンを振り返る

 近年、日本の自動車市場ではセダン人気の低迷が続いていますが、かつては各メーカーから数多くのセダンが販売されていて、コンパクトなモデルから大型のモデルまで豊富なラインナップがありました。

ゴージャスさよりも性能が魅力的だったセダンたち
ゴージャスさよりも性能が魅力的だったセダンたち

 昔から高級車といえばセダンというのが一般的で、いまも変わっていませんが、そんな高級セダンが隆盛を誇った時代に登場したモデルのなかには、走りを重視した高性能なセダンも存在。

 そこで、スポーツカーも顔負けの高性能セダンを3車種ピックアップして紹介します。

●日産「シーマ」

全開加速がとてつもなくカッコよかった「シーマ」
全開加速がとてつもなくカッコよかった「シーマ」

 日産は1988年に高級セダンの「セドリック/グロリア」のさらに上級仕様として、初代「セドリック シーマ」と「グロリア シーマ」(以下シーマ)を発売。3ナンバー専用ボディを持たなかったトヨタ「クラウン」に対してアドバンテージを築くという策でした。

 ボディは4ドアピラーレスハードトップで、それまでにないワイド感を強調したフロントフェイスに、伸びやかでスタイリッシュなサイドビューが特徴的なデザインを採用。

 搭載されたエンジンは3リッターV型6気筒DOHCで、自然吸気で200馬力、ターボモデルでは255馬力と、現在の水準ではそれほどの出力ではありませんが、ドラマチックな加速が魅力でした。

 とくにターボモデルでは全開加速すると、ややターボラグがあってリアサスペンションが大きく沈み込みつつ怒涛の加速が始まり、さらにマフラーから濃くなった燃料の影響でわずかに煙を出しつつ、まるで静かなジェット機のようなサウンドを響かせました。

 当時のバブル景気や、1985年頃から始まった中流意識の高まりから、シーマはラグジュアリーカーとして異例の大ヒットを記録。

 他メーカーからも高級志向と高性能を兼ね備えたセダンが続々登場するなど、国内の高級車市場が活性化し、後に「シーマ現象」と呼ばれました。

 2代目以降のシーマはだいぶジェントルになり、自然吸気エンジンに変更されるなどもあって、初代のような荒々しい走りは見られなくなりました。

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●トヨタ「アリスト」

暴力的な加速とスタイリッシュなデザインが魅力的だった「アリスト」
暴力的な加速とスタイリッシュなデザインが魅力的だった「アリスト」

 前出のシーマに遅れること1年、1989年にトヨタ初代「セルシオ」がデビュー。それまでの高級車の概念を変えるほどの意欲作で、北米でのレクサスブランドの展開に大きく貢献しました。

 そして、ラグジュアリーなセルシオに続いて登場した高性能セダンが、1991年に発売された「アリスト」です。

 外観は巨匠ジウジアーロが主宰するイタルデザインの手によるもので、空力性能を意識したワイド&ローなスタイルは、迫力とスポーティさを兼ね備えていました。

 発売当初に搭載されたエンジンは、全グレードとも3リッター直列6気筒で、自然吸気モデルで最高出力230馬力、ツインターボモデルでは280馬力を誇り、このエンジンは後に「A80型 スープラ」にも搭載されたスポーツユニットです。

 その加速力は強烈なものでしたが、4輪ダブルウイッシュボーンのサスペンションも適度に締め上げられ、ワインディングロードでも安定した走りを実現。

 1992年にはセルシオに搭載されていた4リッターV型8気筒エンジンとフルタイム4WDが組み合わされた「4.0Z i-Four」も加わりましたが、やはりツインターボ車が人気でした。

 当時はアリストをベースにハードなエンジンチューニングもおこなわれましたが、トルクコンバーターが耐えられないケースが多発したという逸話もあります。

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