ホンダがジープを販売した過去が!? 日本でヒットした輸入車3選
いまでこそ輸入車は身近な存在ですが、1980年代までは高額だったことからステータスシンボルとして憧れでした。しかし、そんな輸入車が身近な存在になったきっかけとなったクルマが存在。そこで、1980年代から1990年代に日本でヒットした輸入車を、3車種ピックアップして紹介します。
輸入車がステータスだった時代が変わった!?
現在、欧州車を中心として輸入車は身近な存在ですが、かつては「舶来品」として高額なモデルばかりで、輸入車を所有することがステータスシンボルだった時代があります。
そんな状況が一変したのが1980年代の終わりから1990年代にかけてで、その頃はバブル景気と呼ばれる時代で景気が上向きだったことや、円高の進行、物品税の廃止などが重なり、普通のサラリーマンでも輸入車に手が届くようになりました。
そこで、1980年代から1990年代に日本でヒットした輸入車を、3車種ピックアップして紹介します。
●メルセデス・ベンツ「190E」
メルセデス・ベンツはさらなる顧客拡大のため、1982年にエントリーモデルの「190シリーズ」を、欧州で発売。
190シリーズは、当時メルセデス・ベンツのモデルのなかで、もっともコンパクトなモデルで、日本では1985年から正規輸入されました。
ボディサイズは全長4420mm×全幅1678mm×全高1390mmとし、「190E」グレードでは2リッターエンジンだったことで5ナンバー登録でした。
このコンパクトさがそれまでのメルセデス・ベンツのイメージを覆し、大いに話題となりましたが、同クラスの国産車よりも高い品質を実現していたことから人気となります。
一方で、エントリーモデルといっても500万円前後の価格帯と、5ナンバー車としてはかなり高価でしたが、やはりメルセデス・ベンツというステータスは大いに魅力的でした。
同時期に発売されたBMW「3シリーズ」と並んで、日本におけるドイツ車の普及に多大な貢献をしたモデルです。
●ジープ「チェロキー」
ジープのモデルといえば「ラングラー」に代表されるクロスカントリー4WDですが、ちょうど日本でRVブームが起こった1990年代初頭に販売され、ヒットしたのが「チェロキー」です。
初代チェロキーは1974年には発売され、日本でも正規輸入されたのは1984年に登場した2代目。
ボディはステーションワゴンタイプのモノコックを採用し、直線基調のスタイリッシュなフォルムが印象的で、フロントグリルは伝統の「7スロット」を継承しています。
当初、日本で販売されたグレードは「ラレード」と「リミテッド」でしたが、1994年モデルからエントリーグレードの「スポーツ」を追加。200万円台の価格と右ハンドルを設定したことと、RVブームの余波もあり、高い人気を誇りました。
本国ではV型8気筒エンジンを搭載した高性能モデルがありましたが、日本では4リッター直列6気筒エンジンのみを展開。全長4400mm×全幅1770mm×全高1650mm(スポーツ)と、日本の道路事情でも使いやすいコンパクトな車体とトルクフルなエンジンによって、アメリカ車の入門には適していたといえます。
現在、ジープのモデルは日本で好調なセールスを記録していますが、その礎になったのがこのチェロキーです。
なお、当時、自社でRV(SUV)を生産していなかったホンダは、チェロキーをホンダディーラーで販売しており、それもヒットにつながった要因でしょう。