クルマの「タコメーター」いる? いらない? 装着される基準とユーザーの声は
タコメーターの針に注意して運転している人は、いまどのくらいいるのでしょうか。MT車なら欲しい計器のひとつですが、どれくらい必要なものと認識されているのか、実際の装備状況も含めて見てみました。
タコメーターについて「必要ない」の声も
クルマの内装には、車両の状態をドライバーに伝えるためのメーター、そしてさまざまなインジケーターが備えられています。
メーターを見ると走行時の車速を伝えるスピードメーターのほか、ガソリン残量を表すフューエルゲージ(燃料系)などは必ずあるものですが、エンジン回転数を表すタコメーターは装備されているクルマとそうでないクルマがあり、とくに低価格帯のクルマだと見かけない印象です。では、タコメーターは不要なものなのでしょうか。

クルマのエンジンには最大トルク発生回転数、最高出力発生回転数、最高許容回転数(いわゆるレブリミット)があります。
そのため、タコメーターでエンジン回転数を確認することで、エンジンの能力を有効に活用させることができたり、MT車の場合は適切なギアを選択して速く走らせることにも使われます。
また、特定の回転数で息つきや異音が発生するなどのエンジントラブル時の原因特定に役立つこともあります。
一方、クルマにあまり関心のないユーザーからは、エンジン回転数を抑えることで「ガソリンを節約する目安のメーター」という程度の認識をされることもあるといいます。
製造原価を徹底的に切り詰める軽自動車では、一部のスポーティーモデル以外にはMT仕様であってもタコメーターが装備されていないことも多いです。
例えば、現行モデルのスズキ「アルト」は、ベーシックなグレードではMT仕様でもタコメーターは装備されません。
また、軽トラックのスズキ「キャリイ」、ダイハツ「ハイゼット」、ホンダ「アクティ」も、現行モデルではタコメーターが装備されていていません。
装着状況についてスズキは、「『必要ない』という声も踏まえ、商品の特性とニーズに合わせて付けています」と回答しています。
また、ダイハツは「車両のイメージにもよるのですが、計器類をごちゃごちゃさせず、スピードメーターを大きくしたシンプルな構成にすることも多くあります」と回答。
一方、エンジンを駆動せずにEV走行ができるハイブリッド車も、タコメーターが装備されないことが多くあります。
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タコメーターがないクルマについて、ユーザーはどう思っているのでしょうか。普段からクルマに乗る一般ドライバーに話を聞きました。
「仕事で乗っている社用のライトバン(プロボックス)にタコメーターは装備していませんが、不自由なことはないです。プライベートで乗っているフィット(ガソリン仕様)には付いていますが、タコメーターが必要だと感じたことはないです」(20代・男性)
「家族で乗るクルマをヴォクシーに買い換えましたが、タコメーターは付いていません。以前乗っていたクルマには付いていましたが、エンジンをかけたときに針が動いたのを見た程度で、走行中に気にしたことはありませんでした」(30代・女性)
タコメーターの必要性を感じないという人が多いですが、なかには必要という声もありました。
「タコメーターは必要です。現在所有しているのはロードスターで、都心部を走っているだけなら不要かもしれませんが、箱根などにドライブにいくのが好きなので、そのときにエンジン回転数がわかるだけで気分が上がります」(50代・男性)
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かつてMTが全盛だった時代は、シフトアップのタイミングや、シフトダウンで回転数を上げすぎないようにするためタコメーターは重要なアイテムでしたが、電子制御されたATやCVTが全盛の現在では、回転数によってエンジンが破損するようなことは無いので、タコメーターは必要ないといえるでしょう。
一方で、ドライバーの気持ちを盛り上げるアイテムとしてはまだ有効なのかもしれません。














