スバル史上最強! STIが手掛けた「S209」がスゴすぎる! 乗り味はいかに?
スバルが北米で限定販売した「S209」は、同社史上最強のスペックを誇っています。日本では正規販売されていないS209とは、どのようなモデルなのでしょうか。
日本では売られていない「S209」ってナニモノ!?
スバルは、2014年に掲げた中期経営ビジョン「際立とう2020」で「STIブランドの強化」を掲げました。
その内容は、量産ラインで生産をおこなう「STIスポーツ」の導入だけでなく、これまで基本的に日本専用だったコンプリートカーの海外展開も含まれていました。
その証拠に、2015年のニューヨークショーでSTIの平川良夫社長(当時)は北米ビジネスをおこなうことを発表。
その後、北米向けモデルとして「BRZ tS」と「WRX STI タイプRA」を各500台限定で発売しましたが、その裏で極秘のプロジェクトが進められていました。それが今回紹介する「S209」です。
このモデルは「Sシリーズ初の北米向けモデル」であると同時に、「最強のSシリーズ」として開発がおこなわれています。S209とは、どのようなモデルなのでしょうか。
S209は、北米で209台が限定販売されました。価格は6万3995ドル(約680万円)です。
エクステリアは前後のオーバーフェンダーやフロントフェンダーのエアアウトレット、フロントバンパーサイドカナードなどで構成される専用ワイドボディで、全幅は1795mmから1839mmに拡大されています。
オーバーフェンダーは幅広の265タイヤを収めるために採用されましたが、単純に迫力を出すだけでなくシッカリと性能を出すために風洞に入れながらデザインを煮詰めているそうです。
リアウイングは、国内で限定販売されて即完売した「S207」や限定数を大きく上回る応募を集めた「S208」と同形状のドライカーボン製ウイングが装着されますが、空力バランスはフロント周りの変更を含めてS209用に最適化されています。
ちなみに平川社長によると、「インプレッサ 22B STi バージョンをイメージするデザイン」とデザイナーにリクエストしたそうです。
一方、インテリアはシルバーステッチ+シルバーアクセントのレカロシートやウルトラスエード巻ステアリング、チェリーレッドのインパネ加飾、サイドシルプレート、シリアルナンバープレートなど小変更が中心です。
樹脂系パーツの変更はコスト的に厳しいのは重々承知ですが、もう少し何とかしてほしいと思ったのも事実です。
注目のパワートレインは、伝統の2リッター水平対向4気筒ターボの「EJ20」ではなく、海外向けWRX STIが搭載する2.5リッター水平対向4気筒ターボ「EJ25」をベースに専用チューニングがおこなわれています。
HKS製の大容量タービンや専用ECU、吸気系、排気系の変更により、ノーマルの310hp(314馬力)/393Nmから、341hp(345馬力)/447Nmにアップしています。
とくにトルクは中回転域以降で大幅にアップしており、全域で力強い特性に仕上がっています。
EJ20に比べるとチューニングの知見が少ないEJ25は、サーキット走行などの厳しい環境下での信頼性が気になる所ですが、その辺りも抜かりはありません。
フットワーク系には、出力アップしたエンジンに負けないシャシを目標に専用アイテムを数多く投入。
より安心感のあるリアスタビリティと旋回性能のために、車体はSTIコンプリートモデルで定番のフレキシブルタワーバー、フレキシブルドロースティフナー・フロントに加え、リアシートバック用フレキシブルドロースティフナー(通称:リアドロ)を新採用。
じつはこのアイテムは、2016年のニュルブルクリンク24時間レースカーで先行採用され、大きな効果が実証されているアイテムです。
足まわりはビルシュタイン製ショックアブソーバーと専用コイルスプリング、強化ブッシュを搭載。開発はアメリカのサーキットが中心でニュルでのテストはしていないようですが、セットアップはニュル24時間レースカーの考え方が色濃く盛り込まれているそうです。
タイヤは歴代Sシリーズ最大幅となる265/35R19サイズの「ダンロップ SPスポーツMAXX GT600A」で、構造や剛性、トレッドゴムの選択に至るまでS209専用にゼロから開発された物です。
組み合わせるBBS製鍛造アルミホイールはS207/S208用を水平展開と思いきや、リム幅9jの専用品です。ブレーキはS207/S208で高い評価を得ているブレンボ製のモノブロック対向6ポッド/2ポットが奢られています。
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