シビック/CR-Vはホンダ独自技術で存続なるか? GMとの協業でホンダの車作りはどう変わる
今後登場するホンダ車に変化も?
次に、なぜ北米四輪事業に限定したアライアンスなのか、という点です。
理由は単純明快で、ホンダにとって四輪事業の販売上、北米が最優先市場であり、そこでのコスト削減はホンダ全体として大きなメリットがあるからです。
2020年5月12日発表の2019年決算説明会資料によると、仕向け別の売上収益で、北米は世界全体の46%とほぼ半分で、日本や中国の2倍近くに達します。ホンダの北米依存はいまも変わっていません。
ホンダの倉石誠司副社長がGMとのアライアンスによって「(ホンダにとっての)最大市場の北米で大幅なコスト効率向上が実現可能となる」と指摘するのは当然のことです。
見方を変えると、ホンダとしてはアメリカでのコスト削減を考えて手を組む相手として、フォードは独フォルクスワーゲンとの連携を強化し、FCA(フィアットクライスラーオートモービルズ)は仏PSA(プジョーシトロエン)と合併してステランティスを設立しており、残っているのはGMだけだったともいえると思います。
こうしたなか、ホンダとGMは今回の北米を手始めに、今後は南米、欧州、中国などでのアライアンスへと駒を進める可能性は十分にあると思います。
では、具体的にどのモデルが共有化されることになるのでしょうか?

発表での「複数のセグメント」という表現で考えると、もっとも効率的なセグメントは、北米での中小型車に相当するC/Dセグメントと、近年になり拡大の傾向がはっきりしてきたコンパクトSUVセグメントが考えられます。
ホンダでいえば、「シビック」「アコード」「CR-V」などです。
また、ホンダとして手薄、または現状でラインアップがないフルサイズピックアップトラックやフルサイズSUVについて、GMからOEM(相手先ブランド)供給を受けるどうかも、気になるところです。
また、スポーツカー分野では、NSXと新型ではミッドシップ化したコルベットをどうするのか。これについては、両モデルともブランドイメージの象徴であるため、共通化するメリットはあまりないのではないでしょうか。
日本市場に目を移すと、北米市場にはない軽自動車と、北米市場では需要が少ないBセグメントや、日本での中小型ミニバンについては日本専用車として位置付け、GMとの共有化の可能性は低いと考えられますが、いったいどうなることやら……。
ホンダとGMのアライアンス、これから具体的にどうなっていくのか、日本人としても目が離せません。
Writer: くるまのニュース編集部
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