コロナ禍だからクルマ旅!! ベントレー「コンチネンタル GT V8」の至福旅とは
新型コロナウイルスの影響で、旅のスタイルも大きく変化した。公共交通機関の利用を避け、クルマで旅をすることに注目が集まっている。そこで、いまVAGUEオススメの1台である、ラグジュアリーな旅を満喫するためのグランドツアラー、ベントレー「コンチネンタルGT V8」を紹介する。
ベントレーには、エンジンの違いによるヒエラルキーは存在しない
ベントレーには大きく、リムジン、クーペ/コンバーチブル、SUVの3タイプの車種がラインナップされている。このうちのもっともスポーティなモデルであるクーペ/コンバーチブルが、「コンチネンタルGT/コンチネンタルGTコンバーチブル」だ。
このコンチネンタルGTという名前の由来である「GT」とは、「グランツーリスモ」を意味しているのはいうまでもない(英国車であるから、「グランドツーリングカー」の方が適切か)。
コロナ禍の影響により生活スタイルが大きく変化したが、当然ながらこれまでのような旅をすることができなくなった。こうした時代だからこそ、実はベントレー・コンチネンタルGTに注目が集まっている。
6リッターW12気筒エンジンを搭載した第3世代のベントレー「コンチネンタルGT」は、2017年8月にワールドプレミアを果たした。その2年後となる2019年に4リッターV型8気筒エンジンを搭載した「コンチネンタルGT V8」がクーペとコンバーチブル同時に発表されている。
今回試乗したのは、そのV型8気筒エンジンを搭載したクーペだ。
外観上、W12との明確な違いはほとんどない。かつては「B」エンブレムが「赤」であるのがV8、「黒」がW12という時期もあったが、現在は「黒」に統一されている。
唯一、誰が見てもわかる違いは、左右フロントフェンダーにある数字だろう。V8はフェンダーのショルダー部分にクローム仕上げの「V8」バッジが装着されている。一方のW12は、フェンダー下部の「B」の文字を象ったエアアウトレットに「12」の文字が描かれている。
もう1点、マフラーエンドの形状が異る。V8は「8」を90度回転させたようなデザイン、W12はオーバルタイプだ。
シートに身を委ねると、V8とW12との差異を感じることは、まずない。
つまり、ベントレーにおいては、搭載しているエンジンの違いによってヒエラルキーは生じないということだ。この点を知っておかないと、ベントレーの各モデルを正しく理解することは難しい。
ただし、4気筒の差による性能と価格の違いは当然ある。
最高出力・最大トルクは、V8が550ps・770Nmであるのに対し、W12は635ps・900Nmだ。最高速度は、前者が318km/h、後者が333km/hとなる。
一方、価格はV8が2498万1000円(消費税込、以下同)に対し、W12は2680万7000円。価格差は180万円ほどとなり、気筒換算すると1気筒あたり45万円となる。価格の差は純粋に気筒数の違いに由来していると見なしてよいだろう。
では、先代モデルとの明確な差はどこにあるのだろうか。
外観のスタイリングに大きな差異を見いだせる人は、オーナーであるかよほどのマニアだ。コンセプトカー「EXP10スピード6」のデザインを踏襲して、フロント部分がより傾斜されたりはしているが、コンチネンタルGTのデザインは基本的にはキープコンセプトである。
ただし、それまでの「MLB」プラットフォームから「MSB」プラットフォームを採用したことで、フロントのオーバーハングは短くなり、中身も大きく変化している。そのため、乗り味や走りの性質までもが変化している。
では、どうしてベントレーは、V8とW12との間に、すぐに認識できる差異を設けなかったのだろうか。
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