台風接近! 危険な突風はどこで起きやすい? 運転中にどう対処?
近年、台風が大型化していますが、豪雨による被害とともに突風にも気を付けなければなりません。台風のなかで運転する場合、突風に注意すべき場所はどこなのでしょうか。また、遭遇したときはどう対処すればいいのでしょうか。
トンネルの出口や防音壁の切れ目は突風に注意
毎年9月・10月は台風が発生しやすい時期です。近年では、最強クラスの大型台風が発生し、日本各地に甚大な被害をもたらしています。
台風接近時は不要不急の外出を控えるべきですが、どうしてもクルマを運転しなければいけない場合、どのようなことに注意したらよいのでしょうか。
台風のときの運転で注意すべきことについて、JAF東京支部事業課交通環境係の高木孝氏は次のようにいいます。
「走行時に気をつけたいのは、突然の横風です。いきなり横から強い風を受けてパニックになり、よけいなハンドル操作をしたり、急ブレーキを踏んだりすると、事故・トラブルの原因になります。思わぬ突風に遭遇しても落ち着いて対応できるよう、あらかじめ防衛策を講じておくことが大切です」
防衛策としてまず知っておきたいのが、どのような場所で突風が起きやすいかということです。
首都高速や阪神高速などの高い位置を通る都市の高速道路、さらにはレインボーブリッジや東京湾アクアラインなど、湾岸にかかる橋などは風の影響を受けやすいといわれています。
しかし、そのほかにも突風に注意が必要な場所があるといいます。
「トンネルの出口や防音壁の切れ目、橋の上、山の切り通しの終点などです。これらの場所では、とくに強風警報や注意報が出ていなくても、突風が発生する可能性がありますので、強風を予想した運転が求められます」(JAF 高木氏)
突風が発生しやすい場所を知るのに役立つのが、高速道路の脇に立っている白と緑のこいのぼりのような「吹き流し」です。
NEXCO東日本が運営するウェブサイト「ドラぷら E-NEXCOドライブプラザ」によると、「お客さまに風の強さをお知らせするため、橋の上やトンネルの出口など、風が通りやすいところには、この吹き流しが設置されています。こいのぼりと同じで、風が強ければ強いほど吹き流しは横になびき、風速10m/sで概ね真横になびくようになります」と説明されています。
気象庁のデータによると、風速10m/s以上15m/s未満は「高速運転中では横風に流される感覚を受ける」、15m/s以上20m/s未満は「高速運転中では、横風に流される感覚が大きくなる」、20m/s以上では「通常の速度で運転するのが困難になる」、そして25m/s以上は「走行中にトラックが横転する」となっています。
では、突風が起こりやすい場所に差し掛かったとき、具体的にはどのような運転を心がければいいのでしょうか。JAFの高木氏は次のように説明します。
「速度が高いと風圧を強く感じるため、クルマの挙動を安定させるためには、低いスピードで走行しなくてはいけません。
ただし、いくらスピードを落とすためとはいえ、急ブレーキは厳禁です。後続車がビックリしたり、クルマのバランスが崩れる可能性もあるので、ポンピングブレーキで段階的に減速し、後続車に減速していることを伝えるようにしましょう。
そして、ハンドルをしっかり両手で握ることです。ただし、肩の力を抜いてガチガチに固くならないようにし、ハンドル操作は必要最低限にとどめておきます。
突然の横風に驚いて急ハンドルを切ると、コントロールを失い、横転してしまうこともあります。ハンドルを取られないよう、手のひらでハンドルを軽く前に押すように握りましょう。
また強風時は、飛来物などによって視界を妨げられることもあります。道路状況を先読みした運転を心がけることで気持ちに余裕が生まれ、予想外の事態に見舞われても適切な対応が可能になります」
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