AT車のパドルシフトって本当に必要? 有効活用できるシーンとは
AT車のパドルシフトは本当に必要なのでしょうか。MTモードを実際にどういった場面で活躍するのか、詳しく紹介していきます。
パドルシフトは本当に必要? 有効活用する方法
近年、新車販売の大多数を占めるAT車(CVT車含む)ですが、なかには「MTモード」が搭載されている車種が存在します。MTモード付きATは、ハンドルの奥にあるパドルシフトやシフトレバーのMTゲートを操作し、任意でギアを選択できるものです。
しかし、大半のAT車はDレンジに入れておくことで自動によるシフトチェンジがおこなわれるため、街乗りでMTモードを使わなくても問題ありません。そうなると、パドルシフトなどの機能はどういった場面で有効活用できるのでしょうか。
MTモードの装着は、全車標準で付いている場合や、グレードや排気量別に装備される場合など、車種によって分かれます。
そしてMTモードを活用すべき場面としては、長い下り坂が挙げられます、
長い下り坂で、速度調整にエンジンブレーキを活用せず長時間フットブレーキを踏み続けた場合、「フェード現象」が起こりやすくなります。
フェード現象とは、フットブレーキを連続使用することでゴムや樹脂などの摩擦材が熱分解されてガス化してしまい、そのガス膜がブレーキローターの間にはさまってブレーキの効きを低下させてしまう現象のことです。
また、「ベーパーロック現象」なども懸念されます。ベーパーロック現象とは、フットブレーキの連続使用で生じた摩擦熱により気泡化したブレーキ液により、ブレーキの油圧が正常に伝わらなくなってしまう現象です。
MTモードでシフトダウンすれば、長い下り坂でもエンジンブレーキで速度調節が可能となり、安全に走行することができます。
MTモードのないAT車ではセカンドレンジやローレンジなどが該当しますが、MTモード付きATはそのトランスミッションの段数分、細かく調整できる場合が多いことがメリットといえます。
エンジンブレーキを適切に使用するとブレーキパッドの摩耗を防ぐ効果もあり、その交換頻度を減らすことで節約に繋がります。
なお、電気自動車やプラグインハイブリッドカーなどのなかには、パドルシフトを回生ブレーキの効きを調整する機能に割り当てているクルマも存在します。
CVTは無段変速では??
このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
修正いたしました。