実はかなりの少数派!? スポーティな国産ディーゼルエンジン車3選
日本では販売されなかったスバルのボクサーディーゼルとは
●スバル「インプレッサ 2.0D RC/RX」
1992年に発売されたスバル初代「インプレッサ」は、高性能な「WRX」が世界ラリー選手権(WRC)で活躍することで、高性能車と広く認知され、ブランドイメージを高めました。
また、WRCでの活躍は欧州では日本以上に称賛され、インプレッサは常に欧州でも人気のあるモデルです。
2007年に発売された3世代では、それまでと同じく最高峰にインプレッサ WRX STIが君臨しており、2008年にWRCでの活動を終えても、欧州ではWRCのイメージが色濃く残っていたことから高い人気を誇っていました。
この3世代では、欧州向けに2リッター水平対向4気筒ターボディーゼル「EE20型」エンジン車をラインナップ。
イギリスでは2009年9月に発売され、装備の異なる「2.0D RC」と「2.0D RX」の2グレードが設定されました。
シャシなどは基本的に日本で販売された「2.0GT」と同等で、ディーゼルエンジンは欧州仕様の「レガシィ」や「アウトバック」に搭載されたものと同じです。
最高出力は150馬力を発揮し、トランスミッションは欧州仕様らしく6速MTのみとされ、駆動方式はフルタイム4WDとなっています。
動力性能は0-100km/h加速が9秒、最高速度は203km/hを誇りました。また、足まわりも重量が重くなったエンジンに対して専用にセッティングされ、ダンパー、スプリングレート、スタビライザーなどが専用です。
ターボディーゼルならではのパンチのあるトルクと、柔軟性に優れた出力特性は、イギリスの郊外でこそ真価を発揮したことでしょう。
なお、このEE20型ターボディーゼルは、次世代モデルにも継承されましたが、5世代で廃止され、2リッターのガソリン自然吸気へと変わりました。
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現在、国内で販売されている国産メーカーのディーゼルエンジン車というと、マツダ、トヨタ、三菱だけになってしまいました。
なかでも孤軍奮闘しているのがマツダで、自社生産のモデルだと「ロードスター」以外のすべてにディーゼルエンジン車をラインナップしています。
近年のディーゼルエンジンは、排出ガスのクリーン化のために高価な装置が必要となることから、日本ではラインナップの拡充が進みませんでした。
しかし、マツダは190万円台からディーゼルエンジン車を用意するなど、高い技術力は他メーカーからも称賛されたといいます。