炎天下の車内は要注意! 消毒用アルコールやパソコン放置で爆発の危険性も
全国的に40度前後の暑さに襲われているこの夏ですが、そこで気を付けなければならないのが、炎天下の車内の高温化によるトラブルです。とくに消毒用アルコールとノートパソコンの車内放置に注意が必要です。
消毒用アルコールの危険性を各都道府県が警戒
この夏は猛暑で、全国的に40度前後の暑さに襲われています。そこで気を付けなければならないのが、炎天下の車内の高温化によるトラブルです。
新型コロナウイルスの感染予防として、クルマを運転する際、マスクの装着だけでなく、消毒用アルコールを車内で使用する人も多いと思います。
予防対策はもちろん必要ですが、消毒用アルコールの取り扱いについては、各都道府県が注意を呼びかけています。
たとえば、鳥取県のウェブサイトでは、「【火災注意】自動車内での消毒用アルコールの取り扱いにご注意ください」として、以下のような車内での使用を限定した注意をおこなっています。
「アルコールには『火気に近づけると引火しやすい』『アルコールから発生する可燃性蒸気は、空気より重く、低いところにたまりやすい』という特徴があります。
そのため、気温が高くなる夏場の自動車内に消毒用アルコールを放置しておくと、密閉された空間で、かつ温度が高くなることから、アルコールから可燃性の蒸気が発生し、滞留しやすい状況に。そのまま車に乗り込み、ライターに火をつけてしまうと、蒸気となったアルコールに引火し、火災となる恐れがあります。
消毒用アルコールを持ち歩く際は、このような特徴に注意して、高温になる場所や火気の近くでの使用・保管はしないように気をつけましょう」
クルマのなかに消毒用アルコールを放置すると、容器の破損の危険もあり、発火の原因としては、静電気などの小さな火種でも引火する可能性があるそうです。
ほかにも、東京消防庁では火災への注意を呼びかけると同時に、公式ユーチューブチャンネルで消毒用アルコールの火災実験映像を公開しています。
厚生労働省によると、ウイルス感染予防に有効なアルコール濃度は70%以上95%以下、60%台でも一定の有効性があると報告されており、私たちが利用している消毒用アルコールの濃度はたいてい80%前後です。
アルコール濃度が60%以上の製品は消防法上の「危険物」に該当し、蒸発しやすくて蒸気が引火事故を起こす危険が大きいといわれていますので、消毒用アルコールが「危険物」であることを認識して、取り扱いにも注意する必要があります。
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真夏の炎天下で車内の温度はどこまで上昇するのか、JAF(日本自動車連盟)では実験をおこなっています。JAF 東京支部事業課 高木孝氏に聞いてみました。
「夏の暑い時期でも、クルマのなかは比較的快適だったりしますが、これはいうまでもなく、これはエアコンなどを効かせているからです。エンジンを切り、エアコンをオフにすると、温度はたちまち上昇します。車内の快適な状態に体が慣れていると、この当たり前のことにも意外と気づきにくいものです。
JAFが真夏の炎天下でおこなった車内温度の変化を検証する実験では、条件の違うクルマを用意し、車内温度を25度に保って実験を開始したところ、窓を閉め切った状態で5分後には車内温度が35度まで上昇しました。
10分経過すると37.8度を記録、すでに体温を超えた温度です。結果的には車内の平均温度は51度になりました。
前と後ろの席、4か所の窓を3cm程度開けた状態では42度と、閉め切った場合と比べて多少は温度抑制の効果がありましたが、エンジンを切って15分後には熱中症指数(WBGT)が危険レベルまで達しています。
また、直射日光が当たるダッシュボードは70度以上になる場合もあり、スマートフォンなどの精密機器を置いたままだと、故障の原因になります。消毒用アルコールなどの可燃性の高い危険物は、車内温度の上昇により破裂や引火の可能性がありますので、車内に放置しないように心がけたいものです。
クルマから離れるときは、ダッシュボードはもちろん、車内に危険物や精密機器を放置していないか、今一度確認するようにしておくと安心です。もちろん、お子さんも車内に残さないようにしましょう」
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