映画『時計じかけのオレンジ』の劇中スーパーカーが、2000万円で落札!

映画『時計じかけのオレンジ』に登場する激レアスーパーカーとは

 実際に完成したM-505プローブ16は、確かにストイックなデザインを持つモデルだった。そのディテールに一切の妥協はなく、一方キャビンが快適な空間であることは、ガラスウインドウから容易にそれを想像できる。

●意外と快適な車室空間

映画『時計じかけのオレンジ』では、3名乗車で登場するが、本来「M-505プローブ16」は2名乗車だ(C)Bonhams
映画『時計じかけのオレンジ』では、3名乗車で登場するが、本来「M-505プローブ16」は2名乗車だ(C)Bonhams

 リアミッドに搭載されるエンジンは、1.9リッター直列4気筒で、これはイギリスのジャン・スピード社のチューニングによるものである。

 最高出力は100psと発表されており、ミッションは4速MT。サスペンションは4輪独立型で、ブレーキも4輪にディスクブレーキが与えられる、

 生産された3台のM-505プローブ16は、最初の1台が火災で全焼してしまったということで、現存するのは2台のみだ。出品車は長年アメリカのピーターセン自動車博物館によって保管されていたもので、1969年のロンドン・モーターショーでは「ベスト・スタイリング・エクササイズ」を受賞。

 3番目のモデルもレストアで完全な修復を受けたということだが、ヒストリーはやはり今回の出品車がもっとも魅力的なストーリーを持つように思う。

 ボナムス1793によれば、このM-505プローブ16の予想落札価格は1600万円−2700万円と幅が広く、主催者側でも予想がつきにくかったものと思われる。

 最終的な落札価格は、1971万2730円。スポーツカーの歴史を語り、モーターショーで受賞したヒストリーを持つ。

 そして何より、スタンリー・キューブリックが手掛けた映画『時計じかけのオレンジ』の劇中車として鮮烈に登場したまさにそのものの個体。主役を演じたマルコム・マクダウェルその人の直筆サインも書かれている。映画好きならずとも、その価値には十分に値する価格といえるのではないか。

【画像】カッコよすぎ! キューブリック直筆サイン入りのスーパーカーを見る(16枚)

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