発売早々人気モデルに!ダイハツ新型「タフト」に乗って感じた5つの魅力
アクティブに使うために「後席は荷室」と割り切る
●ボンネットがよく見えて車幅感覚がつかみやすい
新型タフトのスタイリングは無骨さを強調するために直線基調となっていのが特徴で、長くて水平なボンネットフードは、ほかの軽自動車と大きく異なる部分です。
そのメリットとして、実際に運転して感じられたのが車幅間隔の掴みやすさが挙げられます。ドライバーの視界にボンネットフードの左右や前端がしっかり見えるので、狭い道でも安心して走れるのです。
車幅感覚に不安があるドライバーが軽自動車を選ぶときには、ぜひ新型タフトに試乗してみるといいでしょう。
●リアシートの考え方は割り切っている。でも狭くはない
ハイトワゴンの多くはリアシートに前後スライド機構を備えています。しかし新型タフトはスライド機構のない固定式です。
開発者によるとその判断の背景には、「(スライド機構を不要とする分)座面位置を下げて頭上クリアランスを確保すること、軽量化やコスト上昇を抑えること、荷室拡大のために折り畳んだ際のおさまりの良さを考えていること」などいくつもの理由があるそうです。
シートの取り付け位置は、もしスライド機能を備えたと仮定すると「最後部よりも少し前」(開発者)とのこと。
そう聞くと後席のひざまわりスペースが狭いと想像するかもしれませんが、実際に座るとたっぷりの余裕があります。
その広さは後席の広さに定評のある同社のコンパクトSUVの「ロッキー」と同等なので、固定式とはいえ不満がないどころか十分な居住性といっていいでしょう。
●後席格納時が“標準”とも思える荷室の設計に驚き
新型タフトが前席を優先したクルマ作りだと実感するのは、なんといっても荷室です。
後席を倒した際の床の状況は「ダイハツの軽自動車でもっともフラット」であり、積載性を重視。スッキリとした床面を見ると、これを実現するために後席のスライドを非採用としたという説明も素直に納得です。
また、後席ドアにはアームレストがありませんが、開発者によると「それも荷室(の横幅)を広げて荷物をたくさん積むための工夫」と徹底的にこだわっていることがわかります。
また床面(後席背面も含む)は樹脂になっているので汚れにくく、汚れても水拭きで掃除できるのもアクティブなユーザーにうれしい配慮。キャンプなどアウトドアレジャーのパートナーにちょうどいい仕立てです。
※ ※ ※
新型タフトに触れて感じたのは、一般的なハイトワゴンの軽自動車とは異なる「取捨選択」です。
ワゴンタイプの軽自動車の多くとは異なり、後席の快適性を徹底追求するのではなく前席ユースを中心とした設計。
後席は畳んで荷室とした状態での使い勝手を優先するなど、2人でアクティブに使うことを狙ったキャラクターであることが理解できます。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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