なぜ「ヴォクシー」強し? トヨタミニバン3兄弟 各車の個性を合わせて光る強みとは

トヨタにはミドルクラスミニバンとして「ヴォクシー」「ノア」「エスクァイア」が存在しますが、販売台数をみるとヴォクシー、ノア、エスクァイアという人気順になっています。そして、この傾向は2020年5月のトヨタの全車種全店併売化後も変わらなかったというのですが、ヴォクシー人気を支える要因とはいったいなんでしょうか。

ヴォクシーの人気が依然強い? いったいなぜなのか

 トヨタは2020年8月現在、ミドルクラスミニバンとして「ヴォクシー」「ノア」「エスクァイア」を販売しています。従来は、販売店ごとに取扱車種が異なっていたものの、2020年5月からトヨタ全店でいずれのモデルも購入することができるようになりました。

 しかし、全車種併売化がおこなわれたあとも、従来から人気だったヴォクシーが、3車種のなかで依然として販売台数トップだったというのですが、その要因はどのようなものなのでしょうか。

トヨタ「ヴォクシー」
トヨタ「ヴォクシー」

 現行モデルのヴォクシー/ノアは、2014年1月に発売されました。

 パワートレインには2リッターガソリンに加え、1.8リッターガソリン+モーターのハイブリッドシステム「リダクション機構付きTHS II」を採用し、クラストップレベルの低燃費を実現。

 兄弟車ということで外観の違いが最大の特徴ということになりますが、トヨタによるとヴォクシーは「“毒気”のあるカッコよさ」を、ノアは「ミニバンの王道をいく“堂々感”」をそれぞれ表現しているといいます。

 ヴォクシーはトヨタの4チャネルのうちネッツ店で、ノアはカローラ店で取り扱われていました。

 その後、2014年10月にはヴォクシー/ノアの新たな兄弟車として、トヨタ店・トヨペット店扱いのエスクァイアが発売されます。

 エスクァイアは、従来のミドルクラスミニバンにワンランク上の高級感を付与したモデルとして登場。

 外観は、バンパー下部まで伸びる縦基調のフロントグリルをはじめ、ドアハンドルやバックドアにメッキ加飾を施すなど、きらびやかさと存在感を兼ね備えたデザインとしています。価格帯は、ノア/ヴォクシーが同じとしていたのに対し、エスクァイアはやや高めに設定して独自性を出しました。

 そして、日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表する販売台数データを見ると、現行モデルが発売された2014年から2019年まで、いずれの年においても3車種のなかでヴォクシーがもっとも売れています。

 3車種のなかでの2位は2015年を除きノアで、反対にエスクァイアは発売翌年の2015年を除き、すべての年で3位となっています。

 そして、全車種全店併売化後の2020年5月から7月のランキングを見ると、いずれの月もヴォクシー、ノア、エスクァイアの順は変わりません。

 つまり、すべての販売店でどの車種でも購入できるようになっても、3車種の人気の傾向は変わらないのです。とくに、装備や価格が同じ「兄弟グレード」まで設定されるヴォクシーとノアでも違いが出るのは、なぜなのでしょうか。

 3車種のミニバンのなかで、ヴォクシーが選ばれる要因について、トヨタの販売店スタッフは次のようにコメントします。

「ヴォクシーとノアをそれぞれ見たときに、どちらも幅広いユーザー層に支持されるミニバンではありますが、ヴォクシーのほうが若年層からも支持されやすいことは違いとしてあります。

 また、ボディデザイン自体の違いだけでなく、カタログや広告などのイメージについてヴォクシーのほうが若々しく、お客さまの印象に残りやすいことは、要因として挙げられるでしょう。

 とくに、テレビCMの反響は大きく、現行モデルでは俳優の柳楽優弥さんや、永山瑛太さん(当時の芸名:瑛太さん)、そして現行より前のモデルでは俳優の反町隆史さんやミュージシャンの布袋寅泰さんが出演されていたCMが放映されていたこともありました。

 あのCMの“カッコいい父親像”に惹かれて車種名を覚え、実際の買い替え時に購入リストに入れる人は多いように感じますね」

 そして、ノアについては「お客さまからの人気について、ヴォクシーと大きな差は無いように感じます。とくに、改良の際に採用されたメッキでギラついたデザインは『カッコいい』と評判です」と話します。

 一方、ヴォクシー/ノアより価格帯がやや高いエスクァイアについては、ほかの2車種と比べて売れ行き好調とはいえないものの、あえてヴォクシー/ノアではなく積極的に選ぶユーザーもいるということです。

 エスクァイアを購入した70代男性に話を聞くと「現在乗っているのがトヨタのミニバンだったので、同じトヨタのミニバンのなかから購入候補を探していましたが、とくにヴォクシーのデザインはかなり若者寄りに感じ、選びづらかったです。結局、70代の自分にも合うと感じた上質で落ち着いた雰囲気のエスクァイアを選びました」と話します。

 既存トヨタ車ユーザーの他社への流出を防ぐ意味でも、エスクァイアがラインナップされる意味はあるといえるでしょう。

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