程度の良い中古車はプレミア価格も! 24年前に登場した三菱「ランエボIV」とは

WRC(世界ラリー選手権)での活躍するために誕生した三菱「ランサーエボリューション(以下、ランエボ)」。競技だけでなく、コンパクトなボディに圧倒的なパワーと先進の4WD機構を搭載したモンスターマシンは、初代から10シリーズまで生産され、販売が終了してもなお人気の高いモデルとなっています。今回は、ベースとなるランサーのフルモデルチェンジを受けて、第2世代へ移行した「ランエボ」の第4弾となる「ランサーエボリューションIV」を紹介します。

1996年に発売された三菱「ランサーGSRエボリューションIV」。当時の価格はGSRが299万8000円、RSが249万8000円だった
1996年に発売された三菱「ランサーGSRエボリューションIV」。当時の価格はGSRが299万8000円、RSが249万8000円だった

先進の4WDコントロール技術で旋回性能が向上

 1992年にラリーで勝つことを目標に投入された「ランサーエボリューション」。2016年の「ランエボX」で生産終了しましたが、その圧倒的な存在感で人気が再熱しています。

 今回は、1996年にフルモデルチェンジを果たし、第2世代へと進化したエボ・シリーズの第4弾、「ランサーエボリューションIV」について紹介します。

 1992年の「エボI」、1994年の「エボII」、1995年の「エボIII」といった具合に、毎年のように進化を続けた「ランエボ」ですが、1995年にベースとなる「ランサー」が5代目へとフルモデルチェンジことを受けて、1996年には「ランエボ」も新しいベース車両を採用し、「エボIV」が誕生しました。ちなみにベース車両で世代別として認識されており、「エボIからIII」を第1世代、「エボIVからVI」までが第2世代となります。

 この「エボIV」ですが、バブル崩壊によるコストダウンの影響を受けて、ベースとなった「ランサー」は「ミラージュセダン」とほとんどのコンポーネントが共有されたクルマになりましたが、「エボIV」に限っては、コストダウンの影響など微塵も感じさせない仕上がりになっています。

 新型へと移行したことで刷新されたボディと、搭載している向きを左右反転させ熟成されたエンジン、新開発のマルチリンク式リアサスペンションの採用など、さらなる性能アップが図られています。

 また「エボIV」最大の特徴ともなっている「AYC(アクティブヨーコントロール)」を搭載。これは、コーナリング時の回頭性とブレーキング時の安定性を向上させるために、走行状況に応じて後輪の左右の駆動力差を電子制御する当時の最先端4WD技術。「速い速度域でも安定してコーナリングする」サポート技術です。

 ちなみに、全長4330mm×全幅1690mm×全高1415mmという5ナンバーサイズで収まる「ランエボ」は、この「エボIV」」まで。まだ当時は3ナンバーへの敷居が高く感じられたこともあって、「5ナンバーサイズのラスト・ランエボ」とも呼ばれました。

 搭載される「4G63型」インタークーラーターボエンジンは、従来と形式こそ同じながら、高速型カムプロフィールや鍛造ピストン、ツインスクロールターボチャージャーの搭載などで、当時の自主規制枠いっぱいの280psまで最高出力をアップさせています。

 またフロントのトレッドが5mm広げられ、ホイールサイズも「エボIII」までの15インチから16インチ(205/50R16)へサイズアップ。タイヤの接地面を増やし、パワーをよりムダなく路面に伝える改良が施されたのも大きな進化です。

 ランエボIVには、いままでのランエボ同様に、競技車両のベースにもなる「RS」と、快適装備を充実させた「GSR」の2グレードをラインナップ。RSには、各ギア比をクロスさせた「スーパークロストランスミッション」(ハイ&ローの2種類)がオプションで用意され、市販車としては世界初となる「トルク感応式ヘリカルLSD」も搭載。

 このような改良によって、第1世代で課題になっていた重量配分の悪さが改善されただけでなく、最新の電子制御パーツを搭載することで、さらなる速さを実現。いかに三菱が、本気でレースでの勝利を目指すべくランエボに力を入れているかがわかります。

一番売れたランエボ 「ランサーエボリューションIV」を画像で見る(13枚)

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