なぜトヨタはSUVで攻める? ハリアー&ライズ大ヒット! 市場席巻の戦略とは

車種のラインナップが多いトヨタですが、そのなかでも最近は、SUVのラインナップを充実させています。なぜトヨタはSUVを続々と市場投入しているのでしょうか。

大中小とさまざまなSUVをラインナップするトヨタ

 最近は各メーカーともSUVを充実させていますが、とくに積極的に取り組むのがトヨタです。

 2016年に「C-HR」、2017年に「ハイラックス」、2019年に「RAV4」、「ライズ」、2020年に「ハリアー」「RAV4 PHV」と新型車の投入が続いています。

 今後は「ヤリスクロス」と「カローラクロス」の発売、「ランドクルーザー」のフルモデルチェンジもおこなわれる予定です。

発売間もなくヒットを記録したトヨタ新型「ハリアー」
発売間もなくヒットを記録したトヨタ新型「ハリアー」

 またトヨタは高級ブランドのレクサスも展開しており、最近では2018年にSUVの「UX」を投入しました。トヨタはなぜここまでSUVに力を入れるのでしょうか。

 トヨタは以前からSUVを手掛けてきました。日本車で最長寿のブランドは、1954年に発売されたオフロードSUVのランドクルーザーです。

 1951年にトヨタ「ジープ」の名称で発売されましたが、ジープはウイリスオーバーランド社の商標に抵触するため、ランドクルーザーに改名。この後も、ランドクルーザーには複数のボディタイプが用意されました。

 1980年代に入ると「ハイラックスサーフ」、1990年代にはRAV4とハリアー、2000年以降は「ヴァンガード」という具合に、新型SUVを定期的に投入してきました。

 ただし2010年頃になると、トヨタのSUV販売は減少します。当時2代目ハリアーは発売から7年、3代目RAV4は5年を経過していました。ヴァンガードは3年でしたが、ライバルだった日産2代目「エクストレイル」の売れ行きを超えられませんでした。

 この時代に辛かった販売系列がトヨペット店です。主力商品の「マークX」にはハイブリッドが用意されず売れ行きが下がり、「プレミオ」も伸び悩みます。「アルファード」も、当時は姉妹車の「ヴェルファイア」に販売面で負けていました。

「プリウス」の2代目はトヨペット店とトヨタ店の併売でしたが、2009年に登場した3代目は、トヨタカローラ店とネッツトヨタ店を加えて全店扱いになりました。トヨペット店は、法人営業を含めて販売力の強いディーラーですが、当時は専売車種に恵まれませんでした。

 しかも2009年には海外と同じレクサス「RX」を日本でも販売することになり、RXの日本仕様だったトヨペット店専売のハリアーが廃止される可能性も高まりました。

 これではトヨペット店の販売は一層辛くなるので、ハリアーは廃止せず、レクサス店の扱う新型RXと併せて新旧併売になりました。そしてトヨペット店の強い希望もあり、2013年にはRXから分かれて、国内向けとして3代目ハリアーが発売されたのです。

 このときに開発者は「海外で販売されない日本向けのSUVを開発したのは初めてだ」とコメント。その後、ハリアーは海外でも販売されましたが、右ハンドルの国に限られていました。

 2012年には、マツダ初代「CX-5」とスバル4代目「フォレスター」が発売されて売れ行きを伸ばし、2代目エクストレイルも発売から約5年を経過しながら好調でした。

 SUVが流行のカテゴリになったのに、トヨタはハリアーが存在しながら取り残された状態だったので、トヨペット店も苛立っていたのです。そのため、国内向けハリアーの投入に、トヨペット店も喜びました。

 ようやく2013年に登場した3代目ハリアー(先代)は、日本のユーザーに焦点を合わせた上質な内外装と広い居住空間、使いやすい荷室によって好調に売れて、2014年には1か月平均で約5400台を登録しています。売れ筋ミニバンの「ノア」と並ぶ売れ行きでした。

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