2億円は下らないミウラSVで『ミニミニ大作戦』の峠越え!
ランボルギーニ「ミウラ」が銀幕のなかで疾走するシーンで有名なのは、パリの街を疾走する『個人授業』と、グラン・サン・ベルナール峠を走る『ミニミニ大作戦』だろう。このうちの『ミニミニ大作戦』でミウラが走ったルートを、2016年にレストア済みの「ミウラSV」でドライブした模様を、モータージャーナリストの山崎元裕氏が改めてレポートする。
『ミニミニ大作戦』の舞台を、「ミウラSV」で駆け抜ける!
ランボルギーニ「ミウラ」、正確には4リッターエンジンをリアに搭載することを意味する「P400」という称号を掲げ、「P400ミウラ」と呼ばれたニューモデルがジュネーブ・ショーに姿を現したのは1966年のことだった。
このミウラ生誕50周年を祝するために、2016年にランボルギーニはさまざまなオフィシャルイベントをオーガナイズしたが、ここで改めてレポートするのは、2016年5月中旬に限られたメディアをイタリアに招いて開催されたイベントで、そのタイトルは「ザ・イタリアン・ジョブ・リローデッド」とされていた。
『ザ・イタリアン・ジョブ』。日本ではやはり『ミニミニ大作戦』という、当時の邦題の方が有名だろう。
1969年に公開されたこの映画の冒頭には、北イタリアのグラン・サン・ベルナール峠で撮影されたミウラの走行シーンがあるが、イベントの趣旨は生誕50周年を迎えたミウラのステアリングを、この映画の舞台でメディアの手に委ねるというものだった。周辺の道路を完全に封鎖したうえでのプログラムだから、ドライブ前の興奮はマックスに達する。
英国の映画『ザ・イタリアンジョブ』の冒頭、ランボルギーニ・ミウラが走ったグラン・サン・ベルナール峠。映画の撮影はイタリアとスイス国境にあるアルプスを越える、ワインディングでおこなわれた。
グラン・サン・ベルナール峠はトリノの北部にあるイタリア側のアオスタとスイス側のマルティニーを結ぶルートで、モンブラン(標高4810m)とグランコンバン・ド・グラフネール(標高4314m)の間に位置し、さらにその東にはマッターホルン(標高4478m)を臨む険しい山道が続く。
近年はバイパスも完成し、かつてのようなハードな山越えのイメージは薄まったが、SS27と呼ばれる旧道は昔のまま。6月でも冬期に降り積もった雪が残り、風光明媚な残雪のなかをドライブできる。
ちなみに、『ザ・イタリアン・ジョブ』は、トリノで400万ドルの金塊を奪う窃盗団のアクションムービーだ。
ミウラは冒頭に登場するが、グラン・サン・ベルナール峠のトンネルのなかでブルドーザーに激突し大破、そのまま川に沈められてしまう。
主役はトリノで金塊を奪うために使用されるミニ(なので邦題は『ミニミニ大作戦』)で、ミウラはあくまでも冒頭のみの出演となっている。かつてトリノ・ショーの会場であったリンゴットホールや、屋上のオーバルコース、さらには下水管の中を3台のミニが走り抜ける映像は圧巻だ。
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