2億円は下らないミウラSVで『ミニミニ大作戦』の峠越え!
これ以上ないほど手に汗握る「ミウラSV」のドライビングとは?
メディアイベントに用意されたミウラは、ムゼオ・ランボルギーニが所有する、シャシナンバー:4644の「ミウラS」と、シャシナンバー:5092の「ミウラSV」の2台だった。
ランボルギーニのオフィシャルフォトにもしばしば登場するこの2台は、フルレストアを受けて新車同様のコンディションが保たれたものである。
ミウラのヒストリーについて、簡単に解説しておこう。
1966年に350psの最高出力を誇るV型12気筒エンジンを搭載して登場したミウラは、その後1968年にはエンジンを370psにまで強化した「ミウラS」に、さらに1971年には再びパワーを385psに向上させると同時に、ワイドなリアフェンダーやまつ毛のないヘッドランプなど独自のアピアランスを持つ、最終型の「ミウラSV」に進化することになる。
どちらのミウラのステアリングを握るのかは、ドライバー自身のチョイスだというから、個人的には最も刺激的なミウラであると確信しているイエローのSVを躊躇なく選んだ。
もちろんこれまでにもミウラの走りを楽しむ機会は何回かあったが、ここまでベストコンディションのSVを一切の制約なく、しかもかのグラン・サン・ベルナール峠とその周辺道路を完全封鎖するというこれ以上はないシチュエーションでドライブできるチャンスは、おそらくニ度とないだろう。
さまざまな快適装備や電子制御デバイスが満載された安楽な現代のスーパーカーと比較すれば、当然ながらその始祖たるミウラの走りはスパルタンの一語に尽きた。
コクピットの背後からダイレクトに伝わるV型12気筒エンジンの鼓動やサウンドはこの上なく官能的で、レブリミットまでアクセルペダルを踏み続けると、それはさらにボリュームを増すと同時に、385psという数字以上の迫力を感じるパワーを生み出す。
この巨大なV型12気筒エンジンを横置きミドシップしているので、限界域でのコントロール性には難しさがあると評されるミウラ。
もちろんいかにドライビングの制約がないとはいえ、個体によってはオークションで2億円の価格で落札されるミウラSVのドライブに無理は禁物だ。
それでもかなりの距離をドライブするうちに、ミウラの動きというものを理解する余裕も生まれてきた。
ミウラは現代においても十分に速く、そして美しく、またドライブする者にはそれなりのタフネスさと自制心を要求するスーパーカーだった。
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