燃費なんて関係ない!? レクサス最強SUV「LX」 気になる実燃費はどれほどか?
条件次第ではカタログ値以上の燃費も期待できる
●ワインディング
走行距離:47.3km
実燃費:7.0km/L
峠道でのトータル燃費は、予想を超えるほど良好でした。その理由のひとつは、トルクフルなエンジンのおかげで、峠道の登り坂でもアクセルを踏み込むような状況がなかったからと思われます。
この区間のスタート地点とした東名高速道路の御殿場インターは標高454m。まずはそこから、ルートの最高標高地点となる標高1015mの箱根・大観山までの約34kmの峠道を登っていきます。
その最高地点に到達した際の燃費は5.4km/Lとさすがに伸び悩みましたが、覚悟していたほどまでは悪くないという印象を持ちました。
その地点からの残り約13kmは、ずっと下り坂で、箱根ターンパイクという道をひたすら下ります。下り坂が続くので、エンジンの負担が少なく燃費数値はどんどん上昇し、最終的なワインディング区間の燃費は7.0km/Lとなりました。
●高速道路(復路)
走行距離:67.1km
実燃費:9.4km/L
帰路となる高速道路区間は、小田原西インターから小田原厚木道路を39kmほど走り、厚木からは東名高速道路へ合流。東京インターまでの合計67.1kmを走りました。
その区間の燃費はなんと9.4km/L。今回の燃費計測で最高数値となり、それはカタログ燃費を大きくしのぐものです。
世間一般的には良好とはいえない数値ですが、大排気量エンジンを積んだ超重量級のSUVと考えれば予想外の伸びになりました。
制限速度にできるだけ近づけて走りましたが、とくに低燃費を意識した運転としたり、特殊なテクニックなどを使ったりはしていません。
それでこの数値ですから、平たんな高速道路で速度を上げずに巡行すれば、国産車でもっとも燃費が悪いと思われるクルマでもここまでは燃費が伸ばせることがわかります。
往路の高速燃費と数値が異なる理由はふたつあります。ひとつは高低差です。
往路は後半が勾配の強い上り坂だったのに対し、復路は全区間がほぼフラット。これは燃費にとって有利に働きます。
もうひとつの要因は制限速度。復路の前半区間として走った小田原厚木道路は自動車専用道路で制限速度が70km/L。その速度制限を守って走りましたが、走行速度が高くなると空気抵抗が増え、燃費悪化の大きな原因となります。
走行速度が低い巡行をおこなったことで、燃費を伸ばせたのです。なお、後半の東名高速道路の制限速度は100km/hです。
●トータル
走行距離:210.2km
実燃費:7.8km/L
今回、210.2km走って計測したトータル燃費は約7.8km/Lでした。燃費に有利な高速道路区間が長かったことでこの数値となりましたが、カタログ燃費を2割も超える実燃費となったのは驚きです。
世の中の水準から考えると誇れる燃費ではありませんが、カタログスペックの割には、恐れていたほどは悪くなかったといっていいでしょう。
LXは高速巡行時の快適性が極めて高く、またアダプティブクルーズコントロールなども備わっているので、高速道路を使った移動は長く走っても驚くほど疲れが少ないのが印象的でした。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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