トヨタミニバン3兄弟はノア一択!? 次期型は2021年春登場? 現状の兄弟格差とは
2020年5月1日から全国の販売店で全車種の取り扱いがスタートしたトヨタですが、人気ミニバン「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」それぞれの販売状況に変動があったといいます。今後、トヨタは車種の整理をおこなうことを明らかにしていますが、果たしてノア/ヴォクシー/エスクァイアで生き残るのはどの車種なのでしょうか。
ノア/ヴォクシー/エスクァイア併売で今後どうなるのか?
トヨタは2020年5月1日から、4つの販売チャネルに設定していた専用販売車(専売車)を販売店の垣根なく、全店舗で取り扱うこととしました。
これにより、人気ミニバン「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」もトヨタのすべての店舗で販売されるようになりましたが、売れ筋モデルということもありそれぞれの販売状況や今後の車種統一など今後の動向に注目が集まっています。
トヨタは4つの異なる販売チャネル(トヨタ店・トヨペット店・カローラ店・ネッツ店)を統合させていくことを2018年11月に発表。当初、トヨタは全車種の取り扱いや統合案の実施を2025年からとしていましたが、2019年6月に「統合開始は2020年春に前倒しする」とし、その後2020年5月から全店で全車を扱い始めることが明らかにしていました。
2019年4月には、東京トヨタ、東京トヨペット、トヨタ東京カローラ、ネッツトヨタ東京という4つの販売会社は新たに「トヨタモビリティ東京」に統合。また、2020年5月にはトヨタカローラ横浜、ネッツトヨタ横浜、ネッツトヨタ湘南が合併し、「トヨタモビリティ神奈川」のとしてスタートしています。
このように販売会社(店舗)の統合やチャネルにこだわらない全店舗での車種の取り扱いなど、大きな変革を迎えているなかで、ユーザーが注目するのが専売車の行方です。
ノア/ヴォクシー/エスクァイアのミニバン3兄弟は、一部グレードをのぞき5ナンバーサイズのミニバンとして、2014年に現行モデルが登場。ノアはカローラ店、ヴォクシーはネッツ店、エスクァイアはトヨタ店とトヨペット店で販売されていました。
3兄弟は、パワートレインや駆動方式などの基本性能は共通しているものの、デザインの「見た目」がそれぞれの販売チャネルがターゲットとするユーザー層に合わせた仕様に変更。なかでも、エスクァイアは高級志向であるため、ノアやヴォクシーと比べると価格設定が高くなっています。
直近の売れ行きは、2020年上半期(1月から6月)の新車販売台数で、もっとも売れたのはヴォクシーの3万3818台(販売ランキング:13位、以下同様)、次いでノアが2万647台(16位)、そしてエスクァイアが1万6095台(23位)となっており、3車種合計で7万560台を販売するトヨタの主力モデルです。
販売店の統合や全店舗での取り扱いなどにより、3兄弟はどのような影響を受けているのでしょうか。都内の販売店スタッフは以下のように話します。
「コロナの影響で全体的な販売は落ち込んでいますが、車種別でみれば、もともと売れていたヴォクシーがやはり1番人気の印象です。3車種のなかでも、地味すぎず派手すぎない、『丁度良さ』が人気です。
逆に、もっとも不調なのはエスクァイアです。高級志向であるため価格が高いのを考慮しても、伸び悩んでいる印象を受けます」
ほかの販売店スタッフも、口を揃えてエスクァイアの伸び悩みには言及しています。実際に、全店舗での取り扱い開始後の2020年6月の販売台数をみると、ヴォクシーは4812台(10位)、ノアは3012台(17位)と安定していますが、エスクァイアは1523台(33位)と、3兄弟のなかで大きな差が生じています。
では、エスクァイアの販売不調にはどのような原因が考えられるのでしょうか。
地方都市の販売店スタッフは以下のように話します。
「5月の全店舗扱いより、5ナンバーミニバンのエスクァイアは3ナンバーミニバンのアルファード/ヴェルファイアと比較されることが増えたように感じます。
ノアとヴォクシーと比べれば高級志向ですが、アルファード/ヴェルファイアには装備やデザイン性で追いつかず、少し浮いた存在となっています。
販売店としては人気車種が扱えるようになったのはメリットが多いですが、エスクァイアの不憫な現状を見る限り、車種の統一に関してはできるだけ早く何らかの発表があってほしいです」
※ ※ ※
2020年7月現在、トヨタが国内で販売する兄弟車としては、ノア/ヴォクシー/エスクァイア、アルファード/ヴェルファイア以外に、「ルーミー/タンク」、「スペイド/ポルテ」、「プレミオ/アリオン」がラインナップされています。
また、兄弟という呼び方は、ダイハツ「ロッキー」のOEM車となるトヨタ「ライズ」という関係でも使用するほか、トヨタのSUV「RAV4」と「ハリアー」は同じTNGAプラットフォーム・GA-Kを用いているため、この2モデルも兄弟車と呼ぶことがあります。
兄弟車の定義はさまざまですが、トヨタが販売チャネルごとに展開する兄弟車が今後どうなっていくのか注目です。
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