シフトのカバーは何のため? 車種によっては無いものも!? 進化するシフトノブ事情
運転席に座ってシフトを操作するときに目にするシフトブーツは、シフトの根元をカバーする装備です。しかし、このシフトブーツが車種によっては、あったりなかったりします。それはなぜなのでしょうか。
シフトブーツがあったりなかったり…どんな役割がある?
シフト操作をするたびに目にしている、シフトの根元をカバーする「シフトブーツ」は、車種によって付いていたりいなかったりします。
シフトブーツは何のためにあるのでしょうか。また、シフトブーツがないクルマとは、どう違うのでしょうか。
シフトブーツについて、自動車関連のプロに聞いてみたところ、「シフトリンケージ(シフトと変速ギアをつなぐ関節のような機構)に大きなゴミが入るのを防ぐため」という役割があることがわかりました。
トランスミッションは密閉されていますが、シフトリンケージはむき出しの状態で、異物が入り込むと、誤作動やギアが変速できないなどのトラブルが発生する恐れがあるため、カバーをしているということです。
さらにFRのMT車の場合、シフトノブがトランスミッションから直接伸びており、異物の侵入はトランスミッションの故障に直結するため、シフトノブの付け根にダストカバーの役割りを担う小さいシフトブーツが付けられているケースもあります。
また凸凹したゴム製の蛇腹(ジャバラ)タイプがめっきり数を減らしてしまいましたが、これは車内のインテリアの観点から上質感を求めた結果、本革製やビニール製のシフトブーツが増えているようです。
そもそも未塗装のゴム製品は耐久性に問題がなくても、商用車のようで見映えがあまり良くありません。
現在新車で購入できるクルマで蛇腹タイプのシフトブーツを採用しているのは、ヘビーデューティな使われ方をするスズキ「ジムニー」や、軽バンや軽トラックなどの一部のMTモデルとなっています。
このシフトブーツの必要性ですが、トランスミッションへのゴミの侵入防止以外にも、昔のクルマはさまざまな理由がありました。
たとえばシフトリンケージを円滑に動かすために塗られたグリスが車内に飛び散るのを防ぐためだったり、メカニカルな部分を見せない目隠しのような要素があったと考えられます。
その一方、フェラーリやランボルギーニといったスーパーカーブランドでは、ライバル車と差別化を図る目的もあり、あえて金属製のシフトゲージを見せるデザインとして採用。
生粋のスポーツカーブランドであることを誇示することがアイデンティティにもなっています。
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