売れる理由は燃費? トヨタ「ヤリス」が販売好調 なぜ「人気なのか」近々動向を聞いてみた!
新世代コンパクトカーとして登場したトヨタの「ヤリス」は、2020年上半期の販売台数を順調に伸ばしています。ライバル車のホンダ「フィット」よりも後席がやや狭いものの、その背景にはヤリスに込められた新しいコンパクトカーの常識が隠されていました。
ライバルに比べて後席が狭いのに人気の理由は?
コンパクトカーの常識を覆すべく「ヴィッツ」から車名を変えて日本市場に投入したトヨタ「ヤリス」は、2020年上半期(1月から6月)の販売も好調です。
ライバル車とされるホンダ「フィット」と比較すると、後席の狭さについて指摘されることもあるようですが、そのマイナス要素を世界トップクラスの低燃費により払拭しています。発売開始から約半年経った現在の販売動向はどうなっているのでしょうか。
2020年2月10日に発売されたヤリスは、先代モデルとなるヴィッツと比べて走りと燃費が大きく向上しています。
日本自動車販売協会連合会が発表する2020年度上半期(1月から6月)の販売台数では、4万8192台となっており、軽自動車および海外ブランドの乗用車をのぞくランキングで4位に位置する好調ぶりです。
しかし、ライバルとされるホンダ「フィット」は、上半期の販売台数は5万29台でランキング3位と、ヤリスを1900台上回っています。
発売後の販売動向について、首都圏のトヨタ販売店スタッフは以下のように話します。
「フィットと比較したお客さまの意見では、後席がやや狭いという話が目立ちます。コンパクトカーの想定するユーザー層は、1人から2人での利用が中心なので、そこまで大きな差になるとは考えにくいものの、販売台数で負けてしまった要因のひとつといえるのではないでしょうか」
実際に、両車の室内スペースをみると、ヤリスは室内長1845mm×室内幅1430mm×室内高1190mmであるのに対し、フィットは室内長1955mm×室内幅1445mm×室内高1260mmとやや広くなっています。
これには、両車のコンセプトが異なることが関係しています。フィットは座り心地・乗り心地といった「心地よさ」が強調している一方で、ヤリスは軽快なハンドリング性能など、「走り」に力を入れています。
ヤリスのプラットフォームには、コンパクトカー向けのTNGA(GA-Bプラットフォーム)が搭載されており、軽量かつ高剛性で低重心なボディが大きな特徴です。
無駄なデザインを削ぎ落とすことで、引き締まった形状を確立し、アクティブで躍動感のあるイメージを強調しています。
また、搭載されるパワートレインは、新開発の1.5リッター直列3気筒ダイナミックフォースエンジンを採用した新生代ハイブリッド車とガソリン車、さらに改良された1リッターエンジンの3種類を設定。
燃費性能にも力を入れたことで、ハイブリッド車(2WD)のWLTCモード燃費は36.0km/Lを誇り、世界トップクラスの低燃費となっています。
このように、ヤリスが走行性能に特化したことは、コンパクトカーの新たな時代を予感させます。前出のトヨタ販売店スタッフは、以下のように話します。
「ヤリスに試乗されると、その走りに驚かれるお客さまは多いです。実際に、スポーティなハッチバックやセダン、スポーツカーから乗り換えるという人もいらっしゃいます。
ひと昔前までのコンパクトカーは、セカンドカーとしてのニーズがメインであった一方、ヤリスはファーストカーとして申し分ないとの評価を得ています」
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ヤリスは、フィットをはじめとするライバル車にくらべて居住空間は狭いものの、走りを追求することで、従来のコンパクトカーの概念を打ち破るクルマとして、大きな影響を与えているようでした。
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