さらに快速を実現!? 日産新型「リーフNISMO」登場! 従来モデルとの違いとは
見た目は変わらずとも中身は大幅刷新!?
初期制動はやや強めでタッチも硬めですが、踏力コントロールのしやすさと加減速の“連続性”が増しており、2018モデルよりリズム良く走れるようになっています。
フットワーク系は、スプリング(フロント:14%アップ、リア:25%アップ)、ショックアブソーバー(フロント:伸び10%/縮み10%、リア:伸び30%/縮み10%)、リアバンプストッパー(ゴム→ウレタン)、ステアリングギア比(18.3→14.3)、VDC制御を変更。
タイヤは、225/45R18サイズのコンチネンタル・スポーツコンタクト5+アルミホイールは変更ありません。
ボディ補強は2018モデル同様におこなわれていませんが、その理由は「補強をおこなう必要がないくらいベースの車体が良くできている」とのことです。
「フェアレディZ」並みのステアリングギアレシオ(14.3)とは、直進時のスワリとタイヤとの直結感の薄さはやや気になりますが、意図通りにステアリングが切れるといった正確さは確実に増しています。
そして、操舵時にはキレのいい回頭性を実感すると共にリアのスタビリティの高さも相まってシビアな印象や不安要素は一切ありません。
むしろ機敏でリズミカルなクルマの動きに心地よさを感じます。2018モデルと同じコーナー、同じ速度で走らせてみると、元々持つ重量バランスの良さと低重心に加えて、操舵量の圧倒的に少なさと4輪を上手に使ったセットアップ、インテリジェントトレースコントロールの相乗効果によって、FFながらもアンダーステア知らずのハンドリング。
大きめのパイロンスラロームでは4WS(四輪操舵)が付いているかと錯覚するくらいグイッと内側に巻き込んで曲がる様は、より自然な制御と動きのルノー「メガーヌGT」のような印象でした。
さらにVDCのTCS制御もスポーツ走行時にお仕置きされにくい制御になっているのも嬉しいポイントのひとつです。
一方、乗り心地は無駄な動きが抑えられフラット感が増したのとギャップをスッキリと吸収するダンピング特性、柔らかく受け止めるバンプストッパーなどにより、2018モデルより硬めですが雑味がない乗り味で、人によってはむしろ快適に感じるかもしれません。
そろそろ結論にいきましょう。見た目の変化は最小限ですが、走りは2018モデルが「クルマ好きにとってのノーマル」だとしたら、2020モデルは「スポーツハッチ」といっていいくらいの変化を感じました。
ちなみにNISMOロードカーのラインアップを横串に刺して見ている筆者は、これまでは残念ながら「GT-R以外は甘口」という印象が否めませんでした。
しかし、2020モデルのリーフNISMOに乗り、NISMOの一貫性を持った「味」がより濃くなっているということが実感できました。
つまり、これは電動化や電脳化も大事ですが、走りも忘れていないぞ、という日産&NISMOの“決意”だと解釈したいと思います。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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