因縁の対決に終止符!! 「カウンタック」vs「BB」、オークションで決着をつける!

フェラーリ「BB」のどうして人気がいまひとつなのか?

 カウンタックの人気とは対照的に、今回のオークションでなかなか理想的な結果が出なかったのが、積年のライバル、フェラーリのBBシリーズだ。

スーパーカー然とした外観とは裏腹に、グランドツアラーとしての性格が強かったBBシリーズ(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's
スーパーカー然とした外観とは裏腹に、グランドツアラーとしての性格が強かったBBシリーズ(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 オークション・マーケットでのフェラーリは、一時驚くほどの高騰を見せたが、その傾向も落ち着きを見せ、現在では特に歴史的なバリューのあるモデルが、年に数回大きな話題を提供してくれる程度だ。

 今回もその傾向は変わらなかった。BBシリーズは、フェラーリのファンにはお馴染みのとおり、「365GTB/4(デイトナ)」と、「テスタロッサ」の両世代の中間を受け持ったモデル。BB(ベルリネッタ・ボクサー)という愛称は、搭載される180度V型12気筒エンジンを意味する(実際にはボクサー・エンジンではないが)。

 それが誕生した時代もまたBBにとっては不運だった。年々厳しくなる排出ガス規制によって、リアミッドのV型12気筒エンジンはモデルチェンジのたびにパワーを失い、ファーストモデルの365GTB4BBで380psあったパワーは、続く512BBでは360psに、最終モデルの512BBiでは340psにまで抑えられてしまったのだ。

 それでは今回のオークションのリザルトはどうだっただろうか。まず登場した1984年式の512BBiは、1万8780マイル(約3万km)の走行距離で19万8000ユーロ(約2400万円)で落札。オンライン・オークションということで、コンディションは画像で判断するほかはないが、画像を見る限り十分に良好なクオリティを保っている。

 続く1977年式の512BBは、RMサザビーズによる予想落札価格が22万から26万ユーロと提示されていたが、入札価格はそれには届かなかった。

 1974年式の365GTB4BBは、フェラーリが23番目に製作したモデルだ。最初のオーナーはF1ドライバーのジャン・ピエール・ジャブイユ。ジャブイユはそれから30年近くこのBBを保管していたが、2005年に売却。新オーナーは実に14万5000ユーロ(約1740万円)以上をかけて、さまざまなスペシャリストにレストアを依頼したという。それから現在までの走行距離は3000kmだ。

 これぞまさに、1970年代スーパーカーの象徴的存在だろう。この365GTB4BBを見た者は、誰もがそう感じるに違いない。

 ピニンファリーナのレオナルド・フィオラバンティのチームによってデザインされたボディは、あたかも空気の壁を切り裂くかの如く鋭利なシルエットを持ち、カウンタックとの対比においても、その魅力は一切劣ることはないだろう。BBは必ずやまた、スーパーカーのマーケットで注目を集める存在になると確信した。

 参考までに今回の365GTB4BBの落札価格は、27万5000ユーロ(約3300万円)。2020年のいま、オークションではカウンタックの方がバリューある値がついているが、あるいはこの先、BBシリーズには大きな値上がりのチャンスが待っているのかもしれない。

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