もはや世界遺産級のクルマたち!? 偉大な大衆車5選
海外のクルマに負けない日本の大衆車とは
●トヨタ「カローラ」
トヨタは1936年に「トヨダAA型」を発売して、自動車メーカーとして歩みはじめました。当時は豊田自動織機の自動車製造部門でしたが、後に独立して「トヨタ自動車」になります。
第二次大戦中は主にトラックの生産をおこなっていましたが、戦後になって本格的に乗用車製造を開始。
そして1966年に、日本の高速道路網の伸長に合わせた高速性能を持った小型大衆車、初代「カローラ」を発売しました。
ボディサイズは全長3845mm×全幅1485mm×全高1380mmと、現在のクルマに比べ非常にコンパクトで、「パブリカ」と「コロナ」の間に入るクラスです。
当初、ボディバリエーションはセミファストバックスタイルの2ドアセダンのみとなっていましたが、後に4ドアセダン、クーペ、ステーションワゴン、バンと充実していきます。
搭載されたエンジンは1.1リッター直列4気筒OHVで、ライバルの日産(ダットサン)「サニー」が1リッターエンジンだったことから、「プラス100ccの余裕」のキャッチコピーとともに販売。
大衆車とはいえ、庶民にはまだまだクルマが高嶺の花だった時代に、少しだけ高級なものを求めるユーザーの意識を上手く捉え、商業的に成功しました。
2018年に発売された現行モデルのカローラは12代目にあたりますが、いまやカローラはグローバルな大衆車ですから、まだまだ歴史は続くでしょう。
●スバル360
1917年に創設された中島飛行機は第二次大戦前から航空機を製造し、戦後に中島飛行機が解体されると1945年に富士産業と改称し、平和産業への転換が図られました。
当初はスクーターの製造から始まり、バスのボディなどを手掛け、1953年には富士重工業が誕生。何台かの試作車を経て1955年に初の4輪自動車である「P-1」を完成させましたが一般には市販はされず、テスト車やタクシーとして使われるのみでした。
そして、P-1完成から3年後の1958年、スバルブランドの起源となる軽自動車「スバル360」が発売されました。
スバル360は、当時の通産省が提示した「国民車構想」に則って開発され、全長2990mm×全幅1300mm×全高1380mmのボディは、航空機製造で培った技術によるモノコック・シャシが採用され、車重は385kgに抑えられました。
エンジンは360cc空冷2気筒2サイクルをリアに搭載し、後輪を駆動するRRを採用。最高出力はわずか16馬力でしたが、大人4人乗車でも最高速度は83km/hに達し、乗り心地や操縦安定性も当時の小型車と比べて遜色なかったといいます。
スバル360は、そのスタイルから「てんとう虫」の愛称で呼ばれ、安価な価格設定によってマイカーを持つことを夢から現実に変えたクルマです。発売以降12年間販売されたロングセラーとなり、多くのユーザーに愛されました。
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現在販売中の国産車の価格は登録車で110万円台から、軽自動車で80万円台となっています。
年々クルマは高額化しているようなイメージがありますが、エントリーカーならばだいぶ安価に設定されており、しかも装備が充実していることを考えると、自動車メーカーや部品メーカーの努力がうかがえるのではないでしょうか。
今後、先進安全技術の搭載や電動化も加速していくと予想されますが、さらなる技術の進歩も期待できるので、大幅な価格上昇は避けられそうです。
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