小さいクルマが熱かった! 一時代を築いた軽ホットハッチ5選
弾丸のような加速が魅力だった軽ハッチバック
●三菱「ミニカ ダンガンZZ」
軽ホットハッチが全盛だった1980年代後半から1990年代前半のアルトワークスとミラ TR-XXは、速さと人気で突出していました。そこで三菱が、3匹目のドジョウを狙って投入した軽ホットハッチが「ミニカ ダンガンZZ」です。
もともと三菱初の軽自動車として1962年に登場した「ミニカ」は、それまでは軽自動車らしい実用性をメインにしたグレードで展開していたハッチバックでしたが、バブル景気の好調さを受けて1989年に6代目へと進化した「ミニカ」もどんどんバリエーションを拡大していきます。
ミニカシリーズのハイトールワゴン「ミニカ トッポ」も、このタイミングでデビューしています。
そんな6代目ミニカシリーズのスポーツモデルとして当時三菱が力を入れていた高性能ターボのエンジンを搭載した軽ホットハッチでした。
当時の三菱は「パジェロ」や「ギャラン」など、少し無骨なデザインと高性能ターボ、先進のメカニズムをいち早く採用するメーカーとして認知されていました。
そんな三菱が作る軽ホットハッチのミニカ ダンガンZZには、軽自動車初の550cc直列3気筒5バルブDOHCターボエンジンを搭載。エアダクトを配置したボンネットや2トーンボディに、3本出しマフラーなどで高性能モデルをアピールしました。
その名のとおり、軽ホットハッチ2強に負けない、弾丸のような加速性能が自慢でした。
●スバル「ヴィヴィオ RX-R」
軽ホットハッチを語る上でもっとも輝かしい記録を残したモデルといえば、スバル「ヴィヴィオRX-R」です。
WRC(世界ラリー選手権)で軽自動車ながらクラス優勝(総合12位)という実績を記録したモデルとして有名です。
スバルの軽自動車「レックス」に代わって1992年に登場した「ヴィヴィオ」は、安さが優先された当時の軽自動車に、普通車のような質感をプラスしてデビューしました。
また助手席を縮小し運転席のスペースを拡大するなど、限られた車内空間でドライバーを優先させる設計になっていたのも特徴です。
ヴィヴィオのスポーツグレードである「RX-R」は、自主規制枠いっぱいの64馬力を叩き出すスーパーチャージャー付き4気筒エンジンを搭載。
いまの軽自動車ではありえない話ですが、ニュルブルクリンクでテストを敢行し、好タイムを記録したことも話題になりました。
またWRCだけでなく数多くの競技に参戦するベース車両でもあり、本格的なスポーツモデルとして走りを追求していました。
しかし巷の人気は軽ホットハッチから軽ハイトワゴンへと移行したように、ヴィヴィオは、1998年にハイトワゴンの「プレオ」へとその座を譲り、生産が終了しました。
●ホンダ「トゥデイ Xi」(2代目)
1985年にボンネットバンとしてデビューしたホンダ初代「トゥデイ」は、当時大ヒットしていたリッターカー「シティ」をほうふつとさせる丸目2灯と、低く伸びやかなフォルムが特徴の3ドアハッチバックボディを採用した軽自動車です。
軽自主規制枠の64馬力を求めライバルたちが次々とターボエンジンを搭載していましたが、当時はF1での活躍もあり、高回転型NAエンジンでパワーを稼ぐスタイルがホンダ流でした。
その影響もあり、第2世代のトゥデイのスポーツグレード「Xi」にはターボは設定されず、自然吸気エンジンが搭載されました。
しかしそこは「世界のホンダ」ですから、ライバルたちのハイパワー競争に「MTREC」と呼ばれるツインマップ燃料噴射制御と3連独立スロットルを組み合わせた吸気システムを採用。
軽オープンスポーツ「ビート」譲りのエンジンでしたが、高回転化で64馬力のパワーを絞り出したセッティングのビートに対し、トゥデイ Xiは低速トルクを重視したセッティングを採用したことで、最高出力は58馬力にとどまっています。
ターボエンジンのような爆発的な加速がない代わりに、ビートよりも80kgも軽量な車体に5速MTを上手に操って走らせる楽しみを追求していました。現在でも、運転して楽しい軽ホットハッチとして評価されています。
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1990年代はバブル景気が弾け、不景気といわれた時代ですが、そこで手軽にスポーツ走行が楽しめるモデルとして軽ホットハッチに注目が集まった側面もあります。
現在の軽自動車はスーパーハイトワゴンが主流になっていますが、軽ホットハッチをあえていま乗ることで、パワーを上手にやりくりして走らせる楽しみを再発見できるかもしれません。
スズキの車は買うな‼️
ブレーキ不具合で死ぬぞ‼️