独アウディAGは2020年7月7日（現地時間）、アウディブランド7番目の完全電動化モデルとして「Q4スポーツバック　e-tronコンセプト」を世界初公開した。

　新たに登場したQ4スポーツバック　e-tronコンセプトは、2019年のジュネーブモーターショーで初公開された「Q4 e-tronコンセプト」と並び、近い将来（2021年）に生産を開始する予定となっている。

　このふたつのQ4 e-tronコンセプトは、フォルクスワーゲングループのモジュラー電動化プラットフォーム「MEB」をベースに作られた最初のアウディモデルとして注目される。

　両車のボディサイズはほぼ同じで、全幅は1.9m、ホイールベースは2.77mとなるが、全長4.6m、全高1.6mのスポーツバックの方がわずかに長く、低くなっている。

　この2台のコンセプトカーは技術的にも双子であり、アウディのエンジニアが量産モデルの「パフォーマンスバージョン」のパワートレインの方向性を明確に示している。

　リアアクスルの電気モーターは150kW（約204ps）で310Nmの最大トルクを発生する。またフロントの電気モーターは最大75kW（約102ps）で、150Nmの最大トルクを発生。2つの電気モーターで225kW（約306ps）のシステム出力を発生し、駆動方式はアウディらしいクワトロ（4WD）となる。

　この優れたトラクションにより、Q4の両バージョンは、0-62マイル／h（約100km／h）までわずか6.3秒で加速、最高速度は時速111マイル（約180km／h）に制限される。

　Q4スポーツバック e-tronコンセプトの大型バッテリーは、アンダーボディのほぼ全長にわたって搭載されており、容量は82kWh。WLTPモードでの航続距離は279マイル（約450km）と、このクラスの新たなベンチマークとなっている。フロントモーターを持たない後輪駆動バージョンも用意され、こちらの航続距離は310マイル（約500km）に達するという。

　Q4スポーツバック e-tronコンセプトのボディラインは後方に向かって繊細でダイナミックな曲線を描いている。その結果、姉妹モデルのQ4 e-tronコンセプトよりも視覚的に長く見える。空気抵抗係数は、わずか0.26（Q4 e-tronより0.01低い）だ。

　八角形のシングルフレームは、このモデルがアウディであることをすぐに認識させる。

　インテリアは2.77mのホイールベースのために上のクラスにも匹敵する室内空間を実現。トランスミッション・トンネルを必要としないQ4スポーツバック　e-tronコンセプトは、とくにフロントとリアのレッグルームが広く、快適性を提供している。

　ステアリングホイール後方に設置されたアウディ・バーチャルコックピットは、速度や充電レベル、ナビゲーション情報を鮮明に表示するほか、拡張現実機能を備えた大型ヘッドアップディスプレイを新たに採用。また、旋回時の方向指示矢印などの重要なグラフィック情報を道路に直接重ね合わせることができるという。

　センターコンソール上には、ドライバーに向かって傾いた12.3インチのタッチスクリーンがあり、インフォテイメントや車両機能にアクセス可能だ。その下にはエアコンを制御するためのボタンが並んでいる。よく使う機能は、ステアリングホイールのスポーク上にあるタッチエレメントとしてデザインされたコントロールパネルから簡単に選択することができる。

※　※　※

　アウディは、2018年9月にフルEVのSUV「Audi e-tron」をワールドプレミアした。

　2025年までに、アウディは世界のもっとも重要な市場で20以上の全電動駆動モデルを提供し、販売台数の約40％を電動化モデルで達成する予定だという。

　このポートフォリオ内のSUVには、e-tronとe-tron Sportbackが含まれる。さらに、アバントやスポーツバックのようなクラシックなボディレイアウトのモデルも用意するという。コンパクトクラスからラグジュアリークラスまで、関連するすべての市場セグメントをカバーする予定だ。