プリウスのモーターはミニ四駆の何倍? HV・EVに使われるモーターの仕組みとは

クルマのモーターの大きさはミニ四駆の10万倍!?

 では、実際にハイブリッドカーに使われているモーターはどのようなものなのでしょうか。

 例えば、ハイブリッドカーであるプリウスのACモーターは「トヨタ・ハイブリッド・システムII(THSII)」という、エンジンとトランスミッションなどが一体となったパワーユニットに組み込まれています。

トヨタ「プリウス」のハイブリッドシステム構造
トヨタ「プリウス」のハイブリッドシステム構造

 このTSHIIには、EVモード走行やバッテリー充電に使用するモーターと、そのモーターへの電力供給やエンジン始動の2種類のモーターを備え、充電や電力供給もおこなえることから「モータージェネレーター」と呼ばれています。

 EV走行・充電用のモーターはぶ厚い筒状、電力供給・始動用モーターはぶ厚い皿のような形状で、どちらも両手で持ち運ぶほどの重量があり、片手に収まるミニ四駆のモーターに比べ数十倍の大きさがあります。

 数も大きさもミニ四駆とは大きく異なるクルマのモーターですが、発揮する力もミニ四駆に比べはるかに強力です。

 モーターの力の指標のひとつである「トルク数値」について、タミヤの販売するミニ四駆用モーターは1.2mN・mから2.1mN・mとされていますが、現行型プリウスのモーターは207N・mとなり、およそ10万倍以上という途方も無い差があります。

※ ※ ※

 クルマのモーターは、アクセルの踏みしろに応じて回転数を上げなければならないため、細かい制御が必要です。

 また、ACモーターを動かし、モーターが発電した電気を蓄電するバッテリーも、交流電流用でなければなりません。

 そのため、ハイブリッドカーや電気自動車では、サイズや重量などの効率に優れる水素バッテリーやリチウムイオンバッテリーを使用しています。

 ミニ四駆と電気自動車、そしてハイブリッドカーは、いずれもモーターを動力源(のひとつ)としています。

 しかし、モーターと電池によって動くシンプルなミニ四駆に対して、電気自動車やハイブリッドカーでは、細かな回転数の制御をおこなう必要があるため、ミニ四駆とは異なるACモーターと、インバーターなどの関連装置が必要になるのです。

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