400万円強で落札! 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に登場するデロリアンの最新オークション情報

世界一有名なクルマは意外とリーズナブル! DMC-12の落札価格は?

 1980年から1981年にかけて細々とデリバリーが始まったDMC-12は、かつてアメリカのGMで副社長の職にあったジョン・デロリアン氏によって設立されたメーカーだ。

 本社があったのはもちろんデトロイトだが、ボディデザインをイタリアのイタル・デザインが、またシャシなどの開発をイギリスのロータスが、そしてリアに搭載されるエンジンをPRV(プジョー、ルノー、ボルボの3社開発による)製のV型6気筒としたことから、生産工場はイギリスの北アイルランドに置かれていた。

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では、多くのパーツが取り付けられていたが、実際はシンプルなデザインだ(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では、多くのパーツが取り付けられていたが、実際はシンプルなデザインだ(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 リアのV型6気筒エンジンが発揮する最高出力はユーロ仕様で150ps。排出ガス規制が厳しいアメリカでは、130psにまで絞られていた。トランスミッションは5速MTと3速ATの選択が可能だった。

 イタル・デザインによるボディは、当時はかなり斬新な造形に見えただろう。

 ガルウイング式のドアは、スーパーカーの証ともいえるものだったし、ステンレスを無塗装のまま使用したボディは、文字通り削り出し感があってスパルタンなうえ、腐食とは一切関係ないという大きなメリットを持っていた。

 ただしその加工はあらゆる金属のなかでももっとも難しい部類に入るが。

 噂が噂を呼び、初年度には6500台近くのDMC-12をセールスしたデロリアンだが、その後社長のジョン・デロリアン氏にさまざまなスキャンダルが起こったことや、イギリス政府からの工場誘致のための助成金が停止されたことで、1982年にはDMC-12の生産を中止しなければならない状況に追い込まれてしまう。

 今回のDMC-12の落札価格は3万5200ユーロ(約422万円)と意外に安く感じるものだったが、これは長年ガレージのなかでストックされ、不動車となっていたことが直接の理由だったようだ。もちろん内装や外装のコンディションは抜群。

 あとはメカニカルな部分をレストアすればということになるのだが、エンジンがPRVのV6ならば、さほど苦労することはなさそうだ。

 映画に出演した、しかも主役級の一台をガレージに収めるのも、けして悪くはない趣味ではないか。

【画像】意外と知らない「DMC-12」の素の姿をチェック!(10枚)

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2件のコメント

  1. 「2020年7月3日から10日までオンラインで開催された」
    映画かけた未来ネタですか。

    • このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
      修正いたしました。

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