これぞ「駆けぬける歓び」 BMWマイスターがこれまでに感動したBMW車5選
北米生産のライトウェイトオープンスポーツも軽快な走りだった
「Z3」(1996年から2002年)
これまでのBMWのデザイン手法を打ち破り、1996年に登場したのが「Z3」だ。
ボディサイドのキャラクターラインがなく、柔らかいウエーブで構成されたエクステリアデザインは、BMWデザイナーの永島譲二氏の手によるもの。
2シーター・ライトウエイトスポーツのマツダ「ロードスター」が世界中でヒットしたことがきっかけで、各メーカーから同じコンセプトの2シータースポーツが出てきたが、Z3はこの独特なデザインが人気となり、北米をはじめ世界中でヒットした。
筆者が最初にZ3をドライブしたのは、生産工場であるアメリカのサウスカロライナ州スパルタンバーグ工場をベースにした試乗会だった。Z3はこの工場で製造された初のBMWモデルだった。
Z3は、E36の3シリーズをベースにしたシャシを採用しているが、ハンドリングはさらに軽快になり、リアタイヤの直前に座るドライビングポジションは、ロングノーズのクラシックなスポーツカーの雰囲気だ。
Z3はオープンだけでなくクーペも追加された。のちにM3のエンジンを搭載し、ボディの剛性アップも施した「Mロードスター」「Mクーペ」といったMモデルも登場した。
E34型「M5」(1988年から1996年)
BMW Driving Experienceのインストラクターカーとして、筆者がしばらく乗っていたのがE34のM5である。ビッグシックスと呼ばれる3.6リッター直列6気筒エンジンを搭載する典型的なFRの4ドアセダンだ。
このモデルは、高いパフォーマンスを発揮するのに、外観は派手ではなかった。後期モデルでは3.8リッターに排気量アップしたが、高回転で芯が出たコマのように回る感触は、排気量が小さな3.6リッターの方が良かった。
ちなみに3.6リッター直列6気筒エンジンはS38B36と呼ばれ、315ps・360Nm、後期型の3.8リッター直列6気筒はS38B38型で、335ps・400Nmを発生していた。
クラッチペダルは重かったが、力のあるエンジンにはふさわしく、ちょうど良いと思って乗っていた。エンジンのマウントゴムは硬めに設定し、走りを優先したものだった。ボディと一体感を持っているから、このサイズのボディ(全長4720mm×全幅1750mm×全高1392mm、ホイールベース2761mm)でもドライバーと一体感のあるハンドリングが楽しかった。
ウイークデイはビジネススーツで乗っても似合うし、土日はポロシャツでスポーツドライビングを楽しむことができる。走りもそれに合わせることができる二面性も持っていた。
G20型 320i(2019年から現在)
最新技術を結集して、フラッグシップモデルである「7シリーズ」に劣らない電装系の装備、安全装備を備えているのが現行3シリーズ(G20)である。我が家の8台目にあたるBMWが、この「320i」になる。
エンジンは2019年7月生産から、2020年モデルとして細かい部分の熟成を果たした。これまでは「330i」と共通のエンジンだったが、新開発の320i専用エンジンに切り替わり、より燃費が向上しているはずだし、サスペンションセッティングもよりしなやかに動くものになり、乗り心地も良くなっている。
便利に使えるのが渋滞モード付きのACC(アクティブクルーズコントロール)だ。これはお盆休みの渋滞などに遭遇しても怖くないと思わせる心強さだ。まだコロナ禍で長距離ドライブも自粛しているが。また最後の前進の50mの軌道を覚えて、そこからバックするときにハンドル操作をやってくれるのも便利に使っている。
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