なぜシエンタ&フリードは売れ続ける? 日産も小型ミニバン投入か!? 今後のミニバン市場の行方とは

トヨタ「シエンタ」とホンダ「フリード」は、どちらも登場から4年から5年ほど経過しているモデルですが、いまだに人気の高いモデルです。なぜ、売れ続けているのでしょうか。

小型ミニバンのツートップはなぜ売れ続ける?

 トヨタ「シエンタ」とホンダ「フリード」は、小型ミニバンに分類されるクルマです。それぞれ、直近のフルモデルチェンジからシエンタは5年、フリードは4年を迎えようとしています。それにも関わらず、両モデルとも人気が衰えません。

 いったいなぜ、長い間人気が続いているのでしょうか。

トヨタ「シエンタ」(写真は特別仕様車「グランパー」)
トヨタ「シエンタ」(写真は特別仕様車「グランパー」)

 具体的な数字を見てみると、2019年度(2019年4月から2020年3月)の販売実績は、シエンタが前期比112.6%の10万8067台、フリードが100.9%の8万4407台と、好調を維持しています。

最近では新型コロナウイルス感染拡大が販売面に影響を与えていますが、日本自動車販売協会連合会が発表する車種別の登録車売上ランキングでは、2020年4月と5月は、シエンタが5位と6位、フリードが5位と8位と安定しています。

 売れる理由について、トヨタとホンダは「手ごろな価格での3列シート車」、「低床構造による車室の広さ」、「燃費の良さ」、「最新の予防安全技術」などを挙げています。

 また、シエンタについては、以前からトヨタ全チャンネル併売車であったことも安定した販売に結びついたと分析しています。

 ミニバン文化の変遷を振り返ってみると、時代のニーズの変化が見てとれます。

 1980年代、本来は商用車であるトヨタ「ハイエース」や「タウンエース」の乗用化が人気となり、1990年代にはトヨタは「エスティマ」、ホンダは「オデッセイ」や「ステップワゴン」、日産は「エルグランド」や「セレナ」と、ミニバン多様化の時代に突入しました。

 続く2000年代にはトヨタによるミニバン新時代が開幕し、「ノア/ヴォクシー」と「アルファード/ヴェルファイア」の活躍が本格化していきました。

 例としてここまで挙げたミニバンは、シエンタやフリードよりも大柄なボディを持つモデルでした。

 2010年に入ると、今度はミニバンやセダンからのSUVシフトが始まり、マツダ「CX-5」という新種が台頭。

 そしてトヨタ「C-HR」、ホンダ「ヴェゼル」などコンパクトSUVが売れ、最近ではよりコンパクトなSUVであるトヨタ「ライズ」/ダイハツ「ロッキー」が人気を博しています。

 こうした時代変化のなかで、従来のミニバンよりも小型サイズなミニバンの需要が伸びてきた印象があります。背景には、中型から大型のミニバンから、小型ミニバンへのダウンサイジングが確実に起こっていると、メーカーは分析しています。

 また、小型ミニバンでの2列シート需要も高まっています。車中泊などアウトドア系のアクティビティ用途が増えていることが要因のひとつです。

 ホンダは2列シート仕様「フリード+」を設定。トヨタは2018年9月のマイナーチェンジからシエンタに2列シート仕様「FUNBASE」を導入しました。

 トヨタはキャンピング関連イベントなどで販売促進をおこなっており、販売への直接的な効果があったといいます。

 シエンタではハイブリッド車を含めた販売実績で3列シートが65%、2列シートが35%になっています。

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