「空の分岐点」がなぜマツダ車の名前? 広島空港のご当地ウェイポイントが珍名な理由とは
飛行機が安全に飛行するために、上空には「ウェイポイント」という目印が設定されていますが、マツダのお膝元となる広島空港の上空には、マツダ車を筆頭に、国産自動車メーカーの車種名が起用されています。どういった経緯で、クルマの名前が使われているのでしょうか。
広島空港のウェイポイント、マツダだけでなくトヨタや日産の車種名も
飛行機が安全かつ効率よく飛行するため、航空路の分岐点や空域の境目には「ウェイポイント」と呼ばれる目印が設定されます。
その名称にはアルファベット5文字というルールが存在し、たとえば関西エリアの「HONMA」や「KAINA」など、地域に由来した名前が用いられることもあります。
そのなかで、広島空港のウェイポイントには、「AXELA」(アクセラ・現「マツダ3」)や「CAROL」(キャロル)など、マツダの車種名が用いられています。なぜ広島空港のウェイポイントはクルマの名前が多く使われているのでしょうか。
広島空港のウェイポイントには、マツダの車種名として「ATENZ」(アテンザ・現「マツダ6」)、があるほか、マツダ車以外に「TIIDA」(ティーダ)や、「VISTA」(ビスタ)など、日産やトヨタの車種名が用いられることもあります。
マツダをはじめとした国産車の車種名がウェイポイントに用いられている理由について、広島空港事務局の担当者は、次のように話します。
「ウェイポイントは、各地域に由来した名称を付けるケースが多いです。そのため、広島県でも地域性を出すために、地元メーカーの車種名が起用されているのではないでしょうか。
過去には、カープ(広島東洋カープ)の名称が採用されていた記録もあります。とくに、マツダは広島を代表するブランドでもあるので、車種名としてより多く起用されている可能性があります。
ただ、ウェイポイントの名前を決めているのは、広島空港事務局ではありません。候補を出すことはあるものの、最終的な判断は国土交通省でおこなわれます。
国際便など、世界的に使われる名称なので重複を防ぐ必要があるため、地元地域で勝手に決めることはできません。そのため、なぜクルマの車種なのかといった詳細については不明です」
最終的な決定権は国土交通省にあるため正確な理由まではわからないものの、「名産」であることが関係しているようです。しかし、なかにはマツダではないメーカーの車名も入っており、地域とはまったく関係ありません。
国土交通省航空局の担当者にも話を聞いたところ、次のように話します。
「そもそも、ウェイポイントの名前を決定する上で、大前提に分かりやすさ、親しみやすさ、発音、といった観点が重要になります。
また、ウェイポイントは、パイロットが管制官と無線でやり取りをおこなう際、頻繁に登場する言葉になります。
無線を通した会話になると聞き取りやすさが重要になり、日本人や外国人など国籍に関係なく幅広い人が発音しやすい言葉であることも決定打となる要素のひとつです。
地域性だけの要素だけでなく、こうした観点も含まれた結果、クルマの名前が導入されているのではないでしょうか」
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ただし、広島空港のウェイポイント名になぜ車種名が起用されているのか、その明確な理由について把握できていないのが現状です。
国土交通省交通事務局の見解では、いつ頃設定されたのか確認できないために具体的な由来を辿ること自体難しいと話します。
アテンザ→マツダ3なの?アクセラの間違いじゃないの??(´・ω・`)?
このたびはご指摘いただき、誠にありがとうございます。
修正いたしました。