ホンダ「シビックセダン」8月で生産終了! グレイスも終了でセダンを整理か

ホンダが日本で販売する「シビック」。セダン/ハッチバック/タイプRと異なるタイプが設定されていますが、そのなかのセダンが2020年8月に生産終了することが明らかになりました。同じくセダンのエントリーモデル「グレイス」も7月で生産終了のようですが、なぜホンダは2車種のセダンを相次いで生産終了するのでしょうか。

シビックセダンが2020年8月で生産終了…そのワケとは

 軽自動車は絶好調ですが、登録車はというと新型「フィット」や「フリード」、「ヴェゼル」以外は苦戦中のホンダの日本市場。そんななか、2020年8月に「シビックセダン」が生産終了というニュースが飛び込んできました。

2020年1月のマイナーチェンジから約半年で生産終了となるホンダ「シビックセダン」
2020年1月のマイナーチェンジから約半年で生産終了となるホンダ「シビックセダン」

 とくにシビックのセダンとハッチバックは2020年1月にマイナーチェンジモデルが登場したばかりですが、セダンは1年経たずに生産終了となります。

 ちなみにハッチバックとタイプRは継続販売し、タイプRは2020年夏頃にマイナーチェンジモデルが登場予定です。

 シビックセダンのホームページを見るとすでに「一部カラーがお選びいただけない場合があります。詳しくは販売会社にお問いあわせください」と記載も。

 シビックセダン生産終了の理由は色々あると思いますが、一番大きいのは「選択と集中」でしょう。

 世界的にセダン市場は縮小傾向ですが、そのなかでも日本はより顕著です。しかし、ホンダのセダンモデルを見ると下から「グレイス」、「シビック」、「インサイト」、「アコード」、「クラリティ」、「レジェンド」と6車種もラインナップ。

 ホンダの関係者は「ユーザーニーズに細かく対応するため」というものの、販売現場からは「セダンはこんなに必要ない」という声もよく聞かれていたそうです。

 ちなみにノッチバック形状のシビックセダンは2代目より設定。ハッチバックがメインでセダンはサブと言う扱いでしたが、5代目では「フェリオ」のサブネームが与えられ独自のポジションを築いたこともあります。

 そんなシビックセダンの流れが変わったのは8代目でした。ミニバンに近いパッケージを採用した7代目の販売不振からセダンのみの販売に変更(ハッチバックもラインアップされたが欧州専売)。

 セダンがメインストリームとなりましたが、その戦略は見事に失敗し結果として日本市場からシビックの名を一時的に消す原因となり、9代目は日本に導入されませんでした。

 現行モデルとなる10代目は2015年発表され、その2年後の2017年に日本に再投入。イギリスのスウィンドン工場で生産され日本に輸入されるハッチバック/タイプRは一定の評価を得ます。

 セダンはハード面に関しては高いレベルだと感じましたが、ソフト面ではライバルと比べてシビックセダンを選びたくなる魅力はというと色々と厳しいようでした。

 さらにセダンは埼玉県の寄居工場で生産されていますが、国内生産にも関わらずモノグレードという割り切った販売戦略はライバルに対して割高感だけが目立ってしまう結果に。

 また、2018年にインサイトの導入もシビックセダンにとっては痛手な出来事でした。インサイトはシビックの基本コンポーネントに2モーターのスポーツハイブリッドi-MMDを搭載したモデルです。

 いわば、かつてのシビックハイブリッドと小さな高級車コンチェルト/ドマーニを融合させたモデルであり、電動化の流れやセダンユーザーのニーズを踏まえると、むしろ日本ではこちらが本命だったのかもしれません。

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