新しい道はいつ表示? ナビアプリに即時反映されないワケ
ナビタイムは開通前にルート検索ができる
今回調べた7社のなかでは、唯一、ナビタイムだけが「開通と同時に掲載」となっていたわけです。同社は「即日反映」に強いこだわりを持っているとのことです。さらに詳しく聞いてみました。
――開通と同時の地図掲載のためにはどのような作業が必要ですか。
実際に地図更新されるタイミングは仕組みとして自動化されているため、特別な作業が発生するものではありませんが、事前のデータ作成作業として新規開通道路やその開通日時を検知するための作業や、検知した情報をデータ化する作業を日々コツコツと積み重ねています。
とくに3月などは、時期的に非常に多くの道路が開通するため、対応を効率良く進めるための作業プロセスの改善・自動化などを継続的におこなうことで、地図の即日反映を実現しています。
――開通前からルート検索が可能とはすごいです。利用者からの反応はいかがでしたか。
SNSで「ナビタイムで検索していたら、横浜北西線を案内されてちょっと感動」「ナビタムは北西線つながっている」といったコメントがありました。
利用者からは、どちらかというとまだ対応できていない部分へのご意見やご要望が多いのですが、喜びの声をいただいた際には、やはり対応してよかった、もっと良くしていこうと強く感じます。
――高速道路以外に、例えば新しい電車の駅(高輪ゲートウェイなど)や空港など大きな 公共の構造物ができたとき、どのタイミングで地図に掲載されますか。
施設の規模の大小に関わらず、即日対応に努めています。具体的なタイミングは変動があるためお伝えできませんが、実際の街の情報を常に最新の状態でユーザーに提供することで、利用者が迷わず快適に移動できるサポートをしています。
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なお、ナビタイムをはじめ多くの地図会社にデータを提供する側でもあるゼンリンに地図情報の入手方法について確認したところ、次のようにいいます。
「当社は全国に約70の調査拠点があり、道路に限らず地図に反映すべき大規模な変化情報については、各調査拠点が事前に自治体や施設の事業主などに問い合わせ、詳細情報のヒアリングや、図面を頂く交渉などをおこなっています。
首都高速K7横浜北西線についてもしかるべきところより情報を入手し開通する前から未来の情報を地図データとして整備して、地図アプリやカーナビを扱うお客さまに提供しています」
開通と同時の地図掲載はもちろん、未来の地図情報の入手に関してもヒアリングや交渉を積み重ねるなど、予想外にアナログな作業が多くあることは少々意外でした。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
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