クルマづくりの概念を変えた!? とてつもなくインパクトがあった車3選
日本で本格的な自動車製造が始まって100年以上経ちますが、その過程で世界中のメーカーに影響を与えたほどインパクトのあった国産車が存在。そんな偉大なクルマのなかから3車種ピックアップして紹介します。
海外でも絶賛された往年の名車を振り返る
日本の自動車製造の歴史は大正時代には本格的に始まっており、すでに100年以上経ちます。

その長い歴史のなかで数多くのクルマが誕生し、なかには世界中のメーカーに大きなインパクトを与えたクルマが存在。
そこで、世界中のメーカーに影響を与えた国産車を3車種ピックアップして紹介します。
●ユーノス「ロードスター」

日本がバブル景気に湧いていた1989年、マツダが多角的に展開していたブランドのひとつである、ユーノスからオープン2シーターカーの「ロードスター」が発売されました。
古くはダットサン「フェアレディ」やホンダ「Sシリーズ」など、ロードスターの発売以前から日本でもオープン2シーターカーは少なからず作られていましたが、圧倒的に輸入車が多く、1989年当時、国産オープン2シーターカー(登録車)は存在しませんでした。
そうした状況のなか発売された「ロードスター」は、2シーターという用途が限定されてしまうクルマでありながら、比較的安価な価格と「人馬一体」を実現した軽快な走りによって、手軽に乗れるスポーツカーとしてヒットします。
また、オープンカー大国のアメリカでも大ヒットを記録するなど、世界的にロードスターの登場は好意的に受け入れられました。
ロードスターの成功によって小型オープンカーのニーズが高まり、トヨタ、ホンダなど国内メーカーだけでなく、メルセデス・ベンツ、BMW、ポルシェ、MG、フィアットといった欧州メーカーから、オープン2シーターカーが続々と発売され、一気に市場が活性化する現象が起きます。
かつて、英国メーカーを中心に隆盛を誇っていたオープン2シーターカーの人気は1980年代初頭に消えかかっていましたが、ロードスターの登場によって再燃されました。
●トヨタ「セルシオ」

1980年代までトヨタのフラッグシップといえば「センチュリー」でしたが、法人需要がほとんどで、オーナー自ら運転するクルマでは「クラウン」が最高峰でした。
そこで、クラウンを超えるポジションに位置するクルマとして1989年に初代「セルシオ」を発売。メルセデス・ベンツやBMWといった欧州の高級車を上まわる性能を目指して、開発プロセスのすべてを原点から見直し、優れた走行性能と圧倒的な静粛性が追求されています。
同時にセルシオは北米にも輸出され、高級車ブランドのレクサスを構築する役割を担った「LS400」として販売されると、その品質の高さから、会社役員や弁護士、医者といったセレブから人気を博しました。
実際にセルシオの品質と性能は世界中のメーカーが驚愕したほどで、ライバルの高級車メーカーのクルマ作りに大きな影響を与えたといいます。
とくに最高出力260馬力の4リッターV型8気筒エンジンは、極端に振動が少なく高い静粛性を実現し、60km/h以下の低速走行ではエンジンの存在を感じさせないほどの滑らかさを実現していました。