前代未聞!? メーカー違いでも車名は一緒! トヨタ販売店でダイハツ「コペン」がバカ売れする訳

トヨタで「コペンGRスポーツ」を販売するメリットとは?

 ここ最近のコペンの販売状況をみると、興味深い現象が起きています。

 たとえば、2020年3月のコペンの販売台数を見ると、ダイハツでの販売台数は247台。一方トヨタでは237台と僅差です。

左:コペンローブ/右:コペンGRスポーツ
左:コペンローブ/右:コペンGRスポーツ

 同年1月から3月までの統計をみると、ダイハツは700台、トヨタでは611台と1割以上の差はあるものの、とはいえそれほど離れているわけではありません。

 これは、ダイハツ版に対してトヨタ版の販売比率が数分の一と少ないピクシスシリーズとは大きく異なる現象です。

 しかも、ダイハツのコペンには「ローブ」「Xプレイ」「セロ」そしてGRスポーツと4つのグレードがありますが、トヨタディーラーから購入できるのはそのうちGRスポーツのみ。

 GRスポーツだけでいえば、トヨタ販売店のほうが多く売っている可能性もあります。

 コペンGRスポーツはダイハツ車にもかかわらず、トヨタのディーラーで販売されている割合が高い稀有なモデルだと判断できるのです。

 では、トヨタのディーラーでコペンGRスポーツを購入するメリットは、どこにあるのでしょうか。

 ユーザーとしての大きなメリットは、なんといっても「家の近くのディーラーで購入できる」ということでしょう。

 ダイハツ販売店に対してトヨタ販売店の数は圧倒的に多いので、トヨタ版のほうが家の近くの販売店で購入できる人が多いはずです。

 トヨタの販売現場のスタッフは、次のようにいいます。

「購入はもちろん、定期点検などのメンテナンスを考えてもディーラーは気軽に足を運べる自宅の近くが便利でしょう。そのため、ダイハツの販売店ではなくトヨタで購入してくださるというのが一般的な傾向です。

 さらに、『トヨタのディーラーのほうが安心できる』といって頂けることも多いと感じていますし、コペンGRスポーツも自信をもって対応します」

 トヨタディーラーならではの安心感も影響しているようです。

 一方メーカー側としては、「ダイハツ販売店に加えてトヨタの販売店でも売ることで販売増が期待できる」、トヨタ販売店としては「商品ラインナップを増やすことで販売拡大が期待できる」というメリットもあります。

 販売する店舗が多いことは、「お客さんをトヨタディーラーに取られてしまうかもしれない」というダイハツ販売店の心配を除けば、あちこちにメリットがあるようです。

 トヨタとダイハツのコラボであり、ダイハツ版もトヨタ版も同一車名、そして両ブランド発売モデルの差別化が一切ない。コペンGRスポーツはそんな異例尽くしのモデルです。

 決して販売台数が多いモデルではありませんが、ダイハツにとってもGRにとっても存在意義は大きいといえるでしょう。

※ ※ ※

 コペンGRスポーツは、ベース車両となっている「コペン ローブS」に対して約30万円高い設定となり、それが高いという声も多く聞かれます。

 しかし内容を見ると、ローブSでは20万円のオプション扱いとなっているBBS製の鍛造ホイールがGRスポーツでは標準装備化されているので、実質的な価格アップは約10万円しかありません。そう考えると、魅力的な価格と判断できるのではないでしょうか。

 また、走りにこだわる人はトルク感応式のLSDを標準装備するMT車がオススメです。

トヨタGR コペンの詳細を見る

ダイハツ コペンの詳細を見る

【画像】同一車名は異例!? トヨタとダイハツが販売する「コペンGRスポーツ」(31枚)

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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