トヨタ「RAV4」はライバル不在!? 宿敵ホンダ「CR-V」が大きく引き離された理由

トヨタ「RAV4」とホンダ「CR-V」は、1990年代にはSUVナンバー1を争うライバル関係でしたが、昨今ではRAV4の販売が好調である一方、CR-Vは低迷しています。なぜCR-Vは、RAV4と差が開いてしまったのでしょうか。

新型RAV4はワイルドさが人気! 一方のCR-Vは…

 クルマには複数のカテゴリがあります。その売れ行きを見ると、新車販売台数がもっとも多いのは軽自動車で、最近では新車として売られるクルマの37%を占めます。

 次がコンパクトカーで25%、急速に販売台数を伸ばすSUVも15%に達します。SUVの比率は、15年前は5%でしたから、最近になって急増しました。逆にミニバン/セダン/ステーションワゴンは減っています。

左:ホンダ「CR-V」/右:トヨタ「RAV4」
左:ホンダ「CR-V」/右:トヨタ「RAV4」

 SUVが増えた理由は、カッコ良さや運転の楽しさと、実用性を両立させたからです。ボディの上側はステーションと同様の形状なので、後席も広く荷物を積みやすいです。

 一方、ボディの下側はワイドなフェンダーや大径タイヤで力強く、ミニバンに比べると重心も低く走行安定性も優れています。実用的でクルマ好きのニーズも満たせることから、SUVは人気を高めました。

 SUVは子育てを終えてミニバンを使わなくなった人達からも注目されています。再び好きなクルマに乗ろうと考えますが、ミニバンの高い天井に慣れると、若い頃に乗ったクーペやスポーツセダンでは窮屈に感じます。年齢も40代から50代になったので、相応に落ち着いた雰囲気が好まれてSUVを選ぶわけです。

 こういった事情からSUVが注目され、小型/普通車の販売ランキングを見ると、トヨタ「ライズ」、「RAV4」、「C-HR」、ホンダ「ヴェゼル」、マツダ「CX-30」といった車種が上位に入ります。

 ただしすべてのSUVが好調に売れるわけではありません。RAV4とホンダ「CR-V」は、同サイズのライバル車でありながら、売れ行きは対称的です。

 RAV4は2019年4月に発売され、2020年1月から3月の登録台数は、1か月当たり5500台前後に達します。発売時点の1か月の販売目標は3000台だったので、これをクリアしています。

 ところがライバルのCR-Vは、1か月当たりの登録台数が500台から700台です。発売は2018年8月なので、RAV4に比べて8か月ほど前ですが、それにしても売れ行きはRAV4の10%少々と大幅に落ち込みました。

 CR-Vは1か月の目標を1200台に設定しているので、すでに販売目標を下まわりました。なぜここまで差が付いたのでしょうか。

 まず車両の価値観やデザインの違いがあります。RAV4はフロントマスクなどに迫力を持たせ、ボディサイドも直線基調で、フェンダーが外側に張り出しています。

 ボディ全体が野性的で、前輪駆動をベースにしたシティ派SUVでありながら、「ランドクルーザー」のようなオフロードモデル風に仕上げました。

 そこがSUVの原点回帰を思わせ、RAV4の魅力になっています。同じトヨタのライズも、コンパクトなサイズとオフロードSUV風の価値観により、いまのところSUVの最多販売車種です。

 ちなみに最近のSUVは、C-HR、マツダの「CX-5」やCX-30、ホンダ ヴェゼルなど、いずれも典型的なシティ派です。これらの売れ筋SUVでは物足りないユーザーが、RAV4を選んでいるのです。

 またトヨタの販売店からは「C-HRを目当てに来店したお客さまが、RAV4を買うこともあります。C-HRは後席と荷室が狭めですが、RAV4なら広いからです」という話も聞かれます。

 トヨタでは現行「ハリアー」の発売は2013年と、設計の古さが目立ちました。ハリアーは間もなくフルモデルチェンジして新型モデルが発売される予定ですが、C-HRやハリアーに不満を持つユーザーが、RAV4を買ったという事情もあるでしょう。

 一方のCR-Vは、荷室に3列目シートを加えた7人乗りも用意しています。外観に丸みがあり、機能と価値観はワゴンやミニバン風です。

 つまりCR-Vは実用的ですが、原点回帰を思わせるRAV4に比べるとインパクトが弱く、平凡な印象を受けます。SUVを購入する人達にはクルマ好きが多いため、個性的なRAV4が注目されるのでしょう。

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