トヨタ新型「ヤリスクロス」 ライバルはヴェゼル? 日本は秋に登場でSUV王国完成か
トヨタのコンパクトカー「ヤリス」のSUV版ともいえる新型「ヤリスクロス」が、突如として2020年4月23日に発表されました。日本では同年秋に発売されるといいますが、どのようなモデルなのでしょうか。
トヨタのSUVファミリーに新たな「ヤリスクロス」が追加へ
2020年2月28日、新型コロナウイルスの影響でスイス「ジュネーブショー」がキャンセルになりましたが、そこでお披露目されるはずだったトヨタのコンパクトクロスオーバーSUVが突如4月23日にオンラインで世界初公開されました。ネーミングは事前の予想通り「ヤリスクロス」でしたが、一体どのようなモデルなのでしょうか。
トヨタ・モーター・ヨーロッパ(TME)のエグゼクティブ・バイス・プレジデントであるマット・ハリソン氏は「このモデルはヤリスにクラッディング(樹脂パーツ)と車高を上げたサスペンションをプラスしたのではなく、ダイナミックなデザインと独自の個性を与えたまったく新しいBセグメントのSUVモデル」と語っていましたが、写真を見ると、半分はオリジナル、半分はヤリスファミリーといったイメージを受けました。
ちなみにボディサイズは全長4180mm×全幅1765mm×全高1560mmと「ヤリス」より一回り大きくなっています。全幅は日本仕様の1695mmの対して大きくなっている感じがしますが、実は欧州仕様のヤリスの全幅は1745mmなので想定内といった感じです。フロントセクションは高めのボンネットとヤリス+60mmのオーバーハング、さらに「RAV4」のイメージを受け継いだデザインにより、力強さと伸びやかさがプラス。
サイドのボディ上部はヤリスファミリーを感じるものの、ボディ下部は特長的なホイールアーチ形状や大胆なクラッディング処置、そして18インチタイヤ+アルミホイールの組み合わせで、4つのタイヤがドシッと踏ん張った安心感のあるスタイルです。
リアはヤリス+140mmオーバーハングを活かしたデザインで、レクサス「UX」を彷彿とさせるCピラー角度、ワイドフェンダーからの絞り込み、そして特徴的なリアコンビランプなどにより、BセグメントのコンパクトSUVとは思えない堂々としたスタイルに仕上がっています。
インテリアはインパネ周りのデザインはヤリスを踏襲するものの、メーター周りは専用デザインになっています。また、日本仕様のインパネ写真にはシフトレバー後ろにモード切り替え用のダイヤル(欧州向けには未装着)、欧州向け仕様はダイヤモンドステッチデザインのシートなど、ヤリスクロスのみのアイテムもいくつかプラスされているようです。
ブラウン/ブラックのインテリアカラーも相まって、ヤリスよりも“大人”な雰囲気に仕上がっているように感じました。ちなみにサイドブレーキは電子式を採用しています。
ホイールベースはヤリス+10mmとなる2560mmとなっていますが、これはホイールトラベルの差によるもの。つまり、リアの居住性はヤリス同等のようですが、インテリアの写真を見ると心なしか余裕があるような印象です。
また、ルーフライン変更による頭上の余裕やウィンドウ面積アップなどにより広さ感はアップしているはず。ヤリス+140mmのリアオーバーハングによりラゲッジスペース拡大に活かされ、40:20:40の分割シートを活かせば、さまざまな用途に活用できるはずです。さらにこのクラスでは珍しいハンズフリー機能付の電動バックドアも装備されています。
パワートレインはガソリン車が1.5リッター直列3気筒「ダイナミックフォースエンジン」と発進ギアを持つ「ダイレクトCVT」の組み合わせ、ハイブリッド車はこのエンジンにモーターを組み合わせています。基本的にはヤリスとユニットと同じと考えていいですが、気になるのはハイブリッドの四輪駆動システムです。
リアにモーターを搭載する電動AWDなのでE-Fourなのですが、リリースを読むと「通常運転はFF、必要なときにトルクを後輪に伝える」、「日常の運転、悪条件、低μ路での更なる安定とトラクションを提供」、「モーター駆動で機械式よりコンパクトで軽量」という記載から推測すると、ヤリスよりも出力の高いモーターが搭載しているのでしょうか。
プラットフォームはTNGA理論に基づいて開発された次世代プラットフォーム「GA-B」を採用。ヤリスに続く第2弾となりますが、低重心、ワイドスタンスなどの基本素性の良さはそのままに、トレッドや最低地上高が変更されています。
俊敏性が高く無駄な動きが抑えられたヤリスの走りにプラスして、ストロークとロールを活かしたシットリした優しい乗り味を期待したいところです。
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