いま見てもホレボレする!? 美しすぎる軽自動車3選
現在、日本でもっとも売れているクルマといえば軽自動車ですが、その多くはハイトワゴンやトールワゴンといった背の高いモデルで、あまり個性的なデザインとはいえません。そこで、かつて販売された個性的かつスタイリッシュな軽自動車を3車種ピックアップして紹介します。
大ヒットはしていないけど、スタイリッシュな軽自動車たち
近年、日本の自動車市場でもっとも売れているクルマは軽自動車です。なかでも、背が高いデザインのハイトワゴンやトールワゴンが人気となっています。
これらハイトワゴンやトールワゴンは、室内の広さやパッケージングを優先してデザインされているため、ボディ形状はどれも似ており、少なくとも個性的とはいえません。
しかし、これまでに販売された軽自動車のなかには、個性的かつスタイリッシュなモデルが存在。
そこで、デザインが秀逸な軽自動車を3車種ピックアップして紹介します。
●スズキ「フロンテクーペ」
1962年に、「スズライトバン」の乗用車版として登場したスズキ「フロンテ」は、当初FFのセダンでしたが、1967年に発売された2代目では駆動方式をRRに変更。
高性能な360cc空冷2サイクル直列3気筒エンジンを搭載したことで、同年にデビューしたホンダ「N360」とのシェア争いが始まりました。
1970年に登場した3代目では「スティングレイルック」と呼ばれる、シャープでスタイリッシュな2ドアファストバックセダンに一新されます。
そして、1971年に軽自動車初のスポーツカーとも呼ばれる「フロンテクーペ」を発売。
いすゞ「117クーペ」などを手掛けた巨匠ジョルジェット・ジウジアーロによってデザインされた、低いフロントノーズと傾斜したフロントガラスから続く小さなキャビンスペースが特徴です。
そのフォルムは、まるでイタリアのスーパーカーを凝縮したような印象で、発売当初は2シーターのみを設定。6連メーターを備えたスポーティな内装と相まって、軽自動車とは思えないほど本格的なスポーツカーとなっていました。
エンジンも最高出力37馬力を誇る、360cc水冷2サイクル直列3気筒エンジンをリアに搭載し、刺激的なフィーリングで走りもスポーツカーそのものです。
●ホンダ「ビート」
1991年に登場したホンダ「ビート」は、ミッドシップ量産車として世界初のフルオープンモノコックボディを採用した、2シーター車です。
ホンダはビートを「ミッドシップ・アミューズメント」と呼んでおり、純粋なスポーツカーとしてのアピールはしていませんでしたが、軽自動車としては少数派のストラット式4輪独立サスペンションや、軽自動車初の4輪ディスクブレーキが標準装備され、フロント13インチ、リア14インチの前後異径タイヤの採用など、スポーツカーといっても間違いはない内容でした。
外観はオープン、クローズどちらの状態でもスタイリッシュなフォルムで、軽自動車という限られたサイズのなかで、美しさを表現。一説にはピニンファリーナによるデザインともいわれていましたが、真偽の程は定かではありません。
リアアクスルの直前にマウントされた660cc直列3気筒SOHCエンジンは、同時期の「トゥディ」や「アクティ」などに搭載されていたエンジンとベースは同じですが、独自のチューニングに独立3連スロットルの吸気システムを採用することで、660ccの自然吸気エンジンでは唯一の最高出力64馬力を発揮。
スロットルレスポンスに優れていますがトルクの出方が緩やかで、ハンドリングも安定志向だったことから、ドライビングに気難しい面はありませんでした。
ビートは1996年に生産を終了したので、絶版となってからすでに四半世紀近くが過ぎていますが、現存数やユーザー数が多いことから、一部の部品が再生産されています。